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写真:帝政期ローマの法学者
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帝政期ローマの法学者
ケルススの分析を中心に

塚原 義央 著

A5判 240ページ

本体:5,000円+税(2024年10月31日発売)

ISBN:978-4-657-24803-9

amazon.co.jp

作品概要

古代ローマ時代、法学者は法の重要な担い手だった。「法の民族」として精緻な法制度を作り上げ、近代法の形成にも多大な影響を与えた。本書では、ローマ法学が最も隆盛を迎えた帝政期において、その時代を代表する法学者の一人であるケルススに焦点をあてる。ケルススは「法は善および衡平の術である」をはじめとする法格言を残し、ローマ皇帝の顧問会メンバーとして施策を支えた。それらの法格言を多角的に分析し、ケルススと同時代の法学者であるユリアヌスの法学と比較し、帝政期ローマの法学者像を導き出す。法文を読み解くことで古代ローマ社会の実態にふれられる法制史。

著者プロフィール(編者、訳者等含む)

1982年生まれ。東北学院大学法学部講師。2018年、博士(法学)早稲田大学。専門はローマ法、西洋法制史。

目次など

序 論
 第1節 問題関心
 第2節 先行研究
 第3節 本書の構成

第1章 帝政前期ローマの法学者を取り巻く状況
 第1節 帝政前期ローマにおける法学の状況
 第2節 プロクルス学派とサビヌス学派
 第3節 皇帝顧問会での法学者の活動
 第4節 小  括
 コラム:ローマの歴史 

第2章 公職者としてのケルススの活動
 第1節 ケルススの経歴
 第2節 同元老院議決の分析にあたっての諸前提
 第3節 S.C.Q.P.の内容を伝える史料(D.5,3,20,6~6d)
 第4節 ハドリアヌス帝と元老院との関係におけるS.C.Q.P.
 第5節 小  括
 コラム:ギリシア人とエトルリア人

第3章 ケルススが残した法格言(1)――「法は善および衡平の術である」
 第1節 先行研究
 第2節 共和政期および帝政期における善および衡平bonum et aequumのあり方
 第3節 ケルススのb.e.aの用い方
 第4節 小  括
 コラム:ローマ人の名前

第4章 ケルススが残した法格言(2)――アクィリウス法の解釈を中心として
 第1節 先行研究
 第2節 共和政期におけるvis ac potestasのあり方
 第3節 帝政期におけるvis ac potestasのあり方
 第4節 ケルススの法解釈事例
 第5節 小  括
 コラム:ローマの公職

第5章 ケルススの遺贈解釈――家財道具supellexの遺贈を中心に
 第1節 D.33,10,7
 第2節 ローマにおける家財道具遺贈
 第3節 D.33,10 に採録される諸法文
 第4節 小  括
 コラム:ローマの皇帝

第6章 ユリアヌスの法解釈
 第1節 ユリアヌスの出自および法学修習経歴,公職就任経歴
 第2節 ユリアヌスのアクィリウス法解釈法文(D.9,2,51)
 第3節 アクィリウス法上の文言「殺害する」の理解
 第4節 小  括

結 論
 第1節 ケルススの法学者像
 第2節 ユリアヌスとの対比において

あとがき
初出一覧
参考文献一覧
索  引
英文要旨

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