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青少年のリプロダクティブ・ヘルスと性教育
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世界的に青少年の早期妊娠やHIV感染が増加するなか、青少年のリプロダクティブ・ヘルスをいかに保護するかが急務となっている。保護にあたって重要なのが包括的性教育(CSE)の取組である。しかしCSEは、それぞれの国における政治的論争や学校現場での支持不足などにより十分に実施できているとはいいがたいのが実情である。
そんななかタイでは、学校を基盤とする質の高いCSEが実現された。なぜタイは成功したのか。同国の学校現場における調査・報告を通じ、効果的な性教育の普及のために必要な方策を考察する。青少年の保健教育に携わる教職員にとって、貴重な示唆に富む一冊。
早稲田大学アジア太平洋研究センター、招聘研究員(2024年3月現在)。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士課程修了。博士(学術)。
民間企業勤務を経て、青年海外協力隊として中米・ベリーズおよび西アフリカ・ベナンにてコミュニティ開発に携わる。早稲田大学地域・地域間研究機構にて研究院講師として勤務した後、2022年より特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパンに在職。支援事業部プログラム・コーディネーターとして、主に、ラオス、イラク、シリアにおける教育分野の事業を担当。専門は社会開発、国際教育協力。
まえがき
第1章 本研究の概要
第1節 はじめに
第2節 本研究が着目する課題
第3節 本研究の目的
第4節 本書の構成
第2章 学校を基盤とした包括的性教育(CSE)の普及
第1節 性教育の対立するアプローチ
第2節 リプロダクティブ・ライツと性教育をめぐる論争
第3節 米国の事例に見る性教育をめぐる対立の歴史
第4節 CSEの普及をめぐる国際的潮流と世界の現状
第3章 学校を基盤としたCSEの効果
第1節 性教育研究からの示唆
第2節 学校効果研究からの示唆
第4章 タイの事例
第1節 タイの教育と若者のリプロダクティブ・ヘルス
第2節 タイのエイズ政策と性教育
第3節 タイにおけるCSE
第5章 タイにおける調査研究の手法
第1節 研究手法
第2節 研究デザイン
第3節 研究の過程
第4節 データの概要と分析方法
第6章 タイの学校を対象とした調査の結果
第1節 学校におけるCSEの普及
第2節 学校を基盤としたCSEの効果的な実施要因
第7章 調査結果の考察
第1節 CSEの効果的な導入アプローチ
第2節 CSEの学習成果の向上
第8章 本研究の成果と今後の展望
第1節 学校にCSEを効果的に導入するには
第2節 学校においてCSEを効果的に実施するには
第3節 学校効果研究への貢献
第4節 本研究の限界と今後の展望
あとがき
参考文献
索引
英文要旨