-
spacer
  • YONDEMILL
  • 書籍のご購入・お問い合わせ
  • 早稲田大学出版部について
spacer
写真:陰陽五行説に基づく占術理論
spacer

陰陽五行説に基づく占術理論
刑徳理論の変遷を中心に

小倉 聖 著

A5判 302ページ

定価:5,000円+税(2025年6月27日発売)

ISBN:978-4-657-25802-1

作品概要

古代中国において、「刑徳」は政治・時令・災害と関わる概念だったが陰陽学説を取り入れ、やがて陰陽・術数の概念を持つようになり吉凶を示すものとなった。移動形態・移動周期に基づいた占いに用いられた「刑徳」には、主に北斗七星の動きに連動した「刑徳七舎」と、太陰の動きに連動した「二十歳刑徳(刑徳大遊)」、日(六日)毎の移動である「刑徳小遊」の理論がみられる。それらの理論の変遷を解明する、刑徳理論の完全版。自然科学的理論である陰陽と五行に基づいた占術が、空間表象においてどのように考えられていたのか。古代中国人の思想に迫る。

著者プロフィール(編者、訳者等含む)

早稲田大学長江流域文化研究所招聘研究員

1981年 日本・大阪府生まれ
2007年 立命館大学文学部史学科卒業
2019年 早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学
2020年 博士(文学、早稲田大学)
専門は術数、占術理論
主な論文として、「古代中国占術理論の検証――馬王堆漢墓帛書と銀雀山漢墓竹簡の風占の比較」(『東アジア的世界分析の方法――〈術数文化〉の可能性』(文学通信、2024年))

目次など

序 章

第一章 『淮南子』に至るまでの刑・徳の変遷
 はじめに
 第一節 政治・社会的刑徳
 第二節 陰陽の性質を持つ刑・徳
 むすび

第二章 出土資料に見える「刑徳七舎」とその運行理論の相異
 はじめに
 第一節 「刑徳七舎」の刑・徳移動
 第二節 出土資料に見える「刑徳七舎」とその変遷
 むすび

第三章 『淮南子』天文訓「二十歳刑徳」における刑・徳の移動
 はじめに
 第一節 『淮南子』天文訓の「二十歳刑徳」
 第二節 天文訓①の各年毎の太陰の所在における刑・徳の移動
 第三節 天文訓②における「太陰」の十干・十二辰と刑・徳
 むすび

第四章 馬王堆漢墓帛書『刑徳』篇の「刑徳大遊」
 はじめに
 第一節 帛書『刑徳』篇
 第二節 帛書『刑徳』篇の「刑徳大遊」 
 第三節 帛書『刑徳』篇の「刑徳大遊」の問題点 
 むすび 

第五章 馬王堆漢墓帛書『刑徳』乙篇の「刑徳小遊」
 はじめに 
 第一節 帛書『刑徳』乙篇の本文と図の検討 
 第二節 帛書『刑徳』乙篇に見える「刑徳小遊」の基本原則 
 むすび 

第六章 馬王堆漢墓帛書に見える「刑徳小遊」と三合説
 はじめに 
 第一節 帛書『刑徳』甲篇の「刑徳小遊」の移動理論 
 第二節 帛書に見える「刑徳小遊」と三合説 
 むすび 

第七章 馬王堆漢墓帛書『刑徳』篇の「刑徳小遊」と上朔
 はじめに 
 第一節 帛書『刑徳』甲篇の「刑徳小遊」と「上朔」 
 第二節 帛書『陰陽五行』乙篇の太陰刑徳大遊図 
 むすび 

第八章 放馬灘秦簡に見える刑徳理論と年毎の移動理論の変遷
 はじめに 
 第一節 三合説と刑徳小遊の関係の概要 
 第二節 放馬灘秦簡の刑・徳の移動 
 第三節 刑・徳の中宮への移動・移動理論と図より見た各資料の関係 
 むすび 

第九章 馬王堆漢墓帛書と銀雀山漢墓竹簡に見える風占の比較
 はじめに 
 第一節 帛書に見える刑徳小遊と占辞 
 第二節 銀雀山漢簡に見える八風占と帛書に見える風占との比較 
 むすび 

終 章 刑徳理論の変遷
 はじめに 
 第一節 各章における刑徳理論と変遷に関わる議論について 
 第二節 刑徳理論の変遷とその広がり 
 むすび 

あとがき 
参考文献 
索  引
英文要旨

spacer