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濱本 卓司 著
B5判 356ページ / 本体:9800円+税(2024年12月13日発売)
「耐震設計の父」「塔博士」として知られる早稲田大学教授・内藤多仲。彼が同大学理工学研究所教授・那須信治とともに、戦後まもない時期から約20年間にわたって、数多くの建築物のほか、鉄塔・インフラ施設・タンク等の工作物の振動計測を行い、構造健全性や耐震診断を評価した103件の「診断カルテ」を紹介する。
内藤らの活動は、現在実用化が進みつつある建築物及び土木構造物の構造ヘルスモニタリング技術の先駆けと言える先端研究であった。しかし、その研究内容の全体的意義と学術的価値が評価される機会はこれまでほとんどなかった。
本書は、早稲田大学内藤多仲記念館資料室に残る内藤と那須が残した膨大な資料を再発掘し、少子高齢化、人口減少、空き家問題などが深刻化する日本社会において、今後必要となる構造物の診断技術に有効な教訓を読み取ることを目的とするものである。
◆本書掲載の診断カルテについては、こちらの「ウェブサイト」より、
ほぼオリジナルの形を閲覧することができます。
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坂牛 卓 / 平瀬有人 著
新書判 296ページ / 本体:1,000円+税(2024年9月30日発売)
本書は、第一線で活躍する二人の建築家が、さまざまな芸術における“窓(フレーム)的表現”を参照しながら、それが私たちの暮らしや世界観と密接に結びついていることを、建築家としての現場での経験をもとに明らかにし、「世界」と「窓」とをめぐる従来の議論に建築論的転回をもたらさんとする野心的な論考である。演劇(プロセニアムアーチ)や絵画(額縁)、映画(フレーミング)など、異なる表現における「窓」の役割を分析するいっぽうで、風景を切り取るフレームとしての窓、建物の内外をつなぐ通路としての窓、建物の内部で隔てられた空間同士をつなぐ窓といったように、建築における「窓」の機能についても、独自の視点から多角的な分析を加える。その目線は、近代建築の超克まで見据えており、建築論や都市論の読者はもちろんのこと、メディア論や表象文化論の読者にも楽しんで頂ける、奥の深い内容となっている。