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山内晴子
A5判 660ページ / 定価:9,345円(税込)
朝河貫一(1873-1948)は、日欧の封建制の比較研究で国際的に知られたイェール大学歴史学教授である。彼はどのような歴史学方法論で日本の歴史を欧米知識人に提示し、世界史の中に位置づけたのか。その生涯は日清戦争から冷戦までの激動の時代と重なるが、なぜ日本の危機を予見し、外交のあるべき姿を提示し続けることが出来たのか。朝河が入学後半年で受洗した東京専門学校は、現在想像する以上にキリスト教と関係が深かったのではないか。彼は理想とする「民主主義」を外交理念としたが、どのように体得し、いかなるものであったか。ウォーナーが日米開戦阻止の為に天皇への大統領親書を他の人ではなく、朝河に提案したのはなぜか。朝河が亡くなった時占領軍の横須賀基地では半旗を掲げたというが、彼の戦後構想がこれまで知られている以上に占領軍に影響があったのではないか。本書は、これらの謎を解くために朝河貫一の学者としての生涯を描いた一大叙事詩である。
【『福島民報』第41698号(2010年7月10日・土曜日)の第15面(読書面)「ふくしまの本」に紹介記事掲載】
藤井千春
A5判 412ページ / 定価:6,090円(税込)
ジョン・デューイの哲学の主題は、世界の究極的な真相の究明ではなく、現実世界における社会的な問題を高い確実性において解決するための行動の方法の考案にあった。しかし、不安定で流動的な現実の世界において、人間は自らの行動に普遍的・絶対的な確実性を保証することはできない。また、行動の方法を考案する思考は、本質的に奔放な機能であり、合理的な基準を先験的に設定して統制することはできない。人間にできることは、示唆された観念について反省すること、すなわち、過去の様々な事例と比較し、また、考案されている行動の帰結を十分に予想して行動に移ることである。いわば、自由に広く発想して、慎重に先々を見通した上で行動することである。このようにして、行動の方法について確実性を高める思考に知性が示される。本著では、デューイの経験主義哲学における、西欧近代哲学とは根本的に異なった知性観とそれに基づく思考論を描き出した。
堀 真清
A5判 242ページ / 定価:4,830円(税込)
現代韓国の生んだ最大の知識人、池明観の知的評伝。『韓国からの通信』の著者として知られる池は、亡命者の立場で、金大中らを支援、韓国社会を軍政から解放したばかりか、日韓の和解にむけ努力し、同時に、東アジアに平和と協調をもたらすための具体的な提言を続けてきた。池を駆り立ててきた思想とその足跡は、韓国併合から百年、あらためて日本が隣国といかにかかわってきたかの記録でもある。現代史に占める池の重要性ゆえに韓国でも翻訳、近日中に刊行される。
中垣 啓
A5判 444ページ / 定価:7,140円(税込)
本書は命題的推論(条件文や選言文に関する推論)に関する新しい理論(MO理論)を提出し、命題的推論に関する心理学的諸事実をその理論によって説明したものである。命題の解釈や推論には、大人でも多様な認知的バイアスが出現し、発達的にもそのパフォーマンスが逆U字型発達曲線を示すことがあるなど極めて興味ある現象が見出されている。MO理論はこのような大人における認知的バイアスおよび推論能力の発達における特異的現象に対して統一的説明を与えた。これによって、従来から研究者の間で大きな論争を引き起こしていた認知心理学上の哲学的大問題である「思考の領域固有性」、「『人間の合理性』論争」、「推論の二重過程説」について、MO理論はその解決の可能性を切り開いた。本書は命題的推論、論理的推論を含む推論一般にかかわる人文系および工学系研究者のための専門書であり、学校現場において児童・生徒・学生の推論能力の問題に直面している教育者のための参考書である。
真辺将之
A5判 384ページ / 定価:5,670円(税込)
早稲田大学の前身・東京専門学校の学風を、講師・学生たちの活動に即して描き出した書。早稲田大学の建学の理念である「学問の独立」の精神が東京専門学校の学風にどのように具現されているのかを解明し、近代日本の政治史・思想史・教育史上において果たした東京専門学校・早稲田大学の独特の社会的役割を浮き彫りにする。「早稲田憲法草案」等多くの新資料・新事実を発掘。
【『早稲田学報』1182(2010年8月号)(早稲田大学校友会)の「本と本棚」に書評掲載。評者:安在邦夫氏(早稲田大学名誉教授・神奈川大学非常勤講師)】
金田眞澄
A5判 201ページ / 定価:3,150円(税込)
「喪失」という主題をめぐる
サミュエル・テイラー・コウルリッジの思想を同様の問題意識によって動かされていたユングやティリッヒと比較対照しながら検討する
濱川栄
A5判 476ページ / 定価:5,775円(税込)
中国の象徴とも言える、黄河。幾多の災害をもたらす一方、その泥砂で華北に大平原を形成してきたこの大河は、中国古代の歴史といかなる関わりをもっていたのであろうか。古くて新しいこの問題について多角的に分析し、黄河の役割やその役割を改めて検証する。
【『史學雜誌』第119編第3号(史學會)に書評掲載。評者:原宗子氏】
野口洋二
四六判 182ページ / 定価:2,000円(税込)
11世紀初頭に編纂された代表的な規定「ヴォルムス司教ブルカルドゥスの規定」を取り上げ、当時の重大な罪の種類、民衆教化にたいする教会の政策的意図などの検証を通じ、規定から読み取れる当時の民衆の生活や思考、文化などを明らかにする。
千川哲生
A5判 370ページ / 定価:3,675円(税込)
17世紀フランスの劇作家ピエール・コルネイユの悲劇と演劇理論の総合的な解明を目指し、この作家の細心で大胆な論争家としての一面を鮮やかに浮彫りにする。
後藤乾一訳
A5判 428ページ / 定価:6‚300円(税込)
忘れられた指導者イワは、2002年にメガワティ政権下で劇的に復権した。独立と統一をめざすインドネシアの真の歴史を、復権を果たした指導者が内側から生々しく語る。