日本政治経済の危機と再生

日本が1990年代に経験した深刻な構造的危機。政治経済システムを多角的に分析して総点検し、21世紀へ向けた日本型成熟社会の条件とは何かをさぐる。

序論　日本政治経済の危機と再生

　1　日本型政治経済システムの危機
　2　九〇年代日本の国政改革の意義と問題
　3　日本型成熟社会の展望

第1章　通商・外交政策の危機

　1　グローバリゼーションとAPEC
　2　総合安全保障枠組みとしてのAPEC
　3　APECの将来と日豪の役割

第2章　政策決定過程の危機

　1　「九三年夏の政変」後の政策過程
　2　公式的立法システムの変化
　3　立法システムの変化と連続
　4　立法化失敗の二つの事例
　5　政策内容から見た「九三年夏の政変」以後
　6　リーダーシップと政党再編

第3章　日本型政策決定システムの疲労

　1　日韓比較の意義と可能性
　2　マクロ比較のための枠組み
　3　差異発見のためのミクロ比較枠組み
　4　類似性発見のためのミクロ比較枠組み

第4章　政党政治の危機

　1　日本社会の高度情報化
　2　主要政党の情報技術水準と活用の現状
　3　サイバー政治空間の中の政党と有権者
　4　選挙キャンペーン・政党・インターネットユーザー
　5　政党を越える政治の可能性

第5章　九〇年代国政改革の限界

　1　九十年代国政改革の基本的性格
　2　大規模国政改革への政治的契機
　3　「官」から「政」への制度改革と変革の抑止
　4　国政改革推進の政治的リーダーシップ

終章　日本型成熟社会への条件

　1　日本政治経済の危機の実相
　2　国政改革の新たなフロンティア
　3　日本型成熟社会への設計