ホーム > 政治経済・法律・ビジネス > 現代政党学〔普及版〕
日本をはじめ欧米・アフリカ諸国の政党を取り上げてその性格・機能・形態を分類し、政党の動向をシミュレーションする。政党および政党制を追及した決定版。G.サルトーリの世界的名著の翻訳。
代議制デモクラシーで政党を持たないシステムは想像できない。その意味で、現代は政党体制の時代である。今この地球には200以上もの国や地方があるが、それぞれの伝統・歴史・政治文化・政治意識を反映して、政党政治の世界も多彩で多様である。 世界の比較政治学をリードするG.サルトーリが、豊富な資料を基礎に、精緻な理論枠組みを提案している。特に、政党政治が展開される枠組み、つまり政党制については、政党の数、相対的規模、政党間政策距離、イデオロギーへの感情移入度、運動の方向、下部組織の自律度、などの変数を駆使して、見事な分析枠組みが構築・展開されている。一党制、ヘゲモニー政党制、一党優位政党制、二党制、穏健な多党制、極端な多党制(分極的多党制)、原子化政党制、などの理論化は、画期的な研究業績である。既に世界的な名著の地位を獲得している。混迷を続ける政党政治を前にして、発想転換の貴重な素材となろう。政党および政党政治定着の史的分析もまた興味深い。(岡澤憲芙)
Ⅰ部 政党論・なぜ政党なのか
1 部分としての政党
2 全体としての政党
3 予備的枠組み
4 内部からの政党
Ⅱ部 政党制
5 基準としての「政党の数」
6 競合的システム
7 非競合的システム
8 流動的な政治システムと擬似政党
9 全体的枠組み
10 空間的競合