拒否権プレイヤー
政治制度はいかに作動するか

先進諸国で、政治的停滞と経済的衰退をもたらしているは誰なのか。この問題に対し、伝統的な制度分析を超えた「拒否権プレイヤー」という画期的な視点を提案する。研究者・学生はもとより、政治・立法・経済政策に関心を持つ人々にとっての必読書。

先進諸国で、政治的停滞と経済的衰退をもたらしている「拒否権プレイヤー」とは誰なのか。各国政府が重要な政策転換を行い、経済的発展と政治的安定を実現することができるのは、いかなる条件が整ったときなのか。ツェベリスは、現在その解決が真摯に問われているこの問題に対し、大統領制と議会制、連邦制と単一制、多党政権と単独政権といった伝統的な制度分析を超えて、「拒否権プレイヤー」という一貫した画期的な視点を提出し、先進諸国におけるレファレンダム、立法、マクロ経済政策、司法と官僚の独立性、さらにEUにおける政策決定を研究対象に、豊富な事例分析と大量のデータを使用した包括的な計量分析に基づく重要な結論を引き出している。本書は、政治学、法学、経済学、ＥＵの研究者・学生はもとより、実際の政治にたずさわるすべての人々、立法および経済政策に関心を持つ人々すべてにとっての必読書である。

第1部　拒否権プレイヤー論
第2部　拒否権プレイヤーと制度分析
第3部　拒否権プレイヤーの政策への影響
第4部　拒否権プレイヤーの体系的作用