ホーム > 政治経済・法律・ビジネス, 早稲田大学エウプラクシス叢書, 書評に出た本・受賞した本 > 中国のシャドーバンキング
近年中国では、シャドーバンキングと呼ばれる銀行以外の金融仲介が急速に発達し、実体経済の新規資金調達の半分以上を占めている。本書は、中国におけるシャドーバンキングの発展メカニズムを辿る一方、その潜在的なリスクを考察する。
日本ではほとんど知られていない最新の一次情報に基づき、中国のシャドーバンキングについて理論的な考察を加え、類型化した本邦初の本格的研究。
亜細亜大学都市創造学部,大学院アジア・国際経営戦略研究科准教授。
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科修士課程・博士後期課程修了。博士(学術)早稲田大学。専門は金融論,ファイナンス論,国際経済学,中国の金融事情。
2003年4月,株式会社日本総合研究所入社,2012年7月同社調査部主任研究員。
2014年12月,株式会社野村資本市場研究所,同社研究部主任研究員。
2018年4月,京都学園大学(現京都先端科学大学)経済経営学部経済学科准教授。
2022年4月より現職。
主な著作
現代金融資本市場の総括的分析』(共著,日本証券経済研究所,2021年),『中国の金融経済を学ぶ──加速するモバイル決済と国際化する人民元』(共著,ミネルヴァ書房,2019年),『変貌する金融と証券業』(共著,日本証券経済研究所,2018年),『パーソナルファイナンス研究の新しい地平』(共著,文眞堂,2017年),『資本市場の変貌と証券ビジネス』(共著,日本証券経済研究所,2015年),『金融ビジネスの病態と素因──インセンティブ構造再設計の視点』(共著,金融財政事情研究会,2013年),『金融システムの将来像──規制改革・地域戦略・アジア展開の新たな指針』(共著,金融財政事情研究会,2010年),『グローバル金融危機後の金融システムの構図』(共著,金融財政事情研究会,2010年)等。その他,学術論文,金融・経済関連の論文・記事等多数。
まえがき
序章 シャドーバンキングとは何か
第1節 本書の問題意識と目的
第2節 先行研究と本書の位置づけ
第3節 分析枠組みと本書の構成
第1章 中国のシャドーバンキングの概観
第1節 中国のシャドーバンキングの現状
第2節 主要プレーヤーとビジネスモデル
第2章 中国のシャドーバンキング①型――その形成過程と主な業務実態
第1節 これまでの拡大経緯とその発展段階
第2節 急成長の原因とその発展メカニズム
第3節 銀行システム内外を統合したシャドーバンキング①型の主な業務実態
第3章 中国のシャドーバンキング①型の特徴と金融システムの役割
第1節 中国のシャドーバンキング①型の特徴と役割
第2節 米国のシャドーバンキングの構造と特徴
第3節 米国のシャドーバンキングの性質と役割
第4節 米国のシャドーバンキングとの比較
第4章 銀行システム外のシャドーバンキングの主な業務実態(シャドーバンキング②型と③型)
第1節 インフォーマル金融(民間貸借)
第2節 その他の銀行システム外のシャドーバンキング
第3節 米国の事例とシャドーバンキング②型の比較
第4節 フィンテック型のシャドーバンキングの発展(シャドーバンキング③型)
第5節 米国の事例とシャドーバンキング③型の比較
第6節 中国のシャドーバンキング③型とフィンテックの位置付け
第5章 中国のシャドーバンキングの潜在的なリスク
第1節 シャドーバンキング①型の潜在的なリスク
第2節 シャドーバンキング②型と③型の潜在的なリスク
第6章 規制当局の対応と今後の方向性
第1節 シャドーバンキング①型の規制監督の概観・評価と方向性
第2節 中国の資産管理業務の規範化の促進
第3節 シャドーバンキング②型と③型の規制監督の概観・評価と方向性
終章 結論と今後の展望
第1節 本書の要約と結論
第2節 今後の展望
第3節 小括
あとがき
参考文献
付録
索引
英文要旨