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早稲田大学ブックレット 「震災後」に考える

 

 

早稲田大学総長

鎌 田 薫

刊行に寄せて 

 本年3月11日に起きた東北地方太平洋沖を震源とする地震は、それがもたらした巨大津波による被害の甚大さと原子力発電所事故の深刻さによって、日本全土を震撼させました。そして、多数の尊い人命が喪われ、多くの人々の穏やかな日常が根こそぎ奪われる事態の中で語られた「想定外」という言葉は、とりわけ科学知識の創造や普及、技術の開発と適用、政策の決定と実施に携わる人々に、自らのこれまでの営みについて根本的な反省を迫るものでありました。

 こうした状況の中で、大学という研究・教育機関において専門知を生み出し提供する役割を担うべき私どもには、自らの存在意義をかけてその衝撃を受け止め、対応する責任があります。

 もとより、私たちは、大震災から8カ月余を、ただ手をこまねいて過ごしてきたわけではありません。これまでに蓄えてきた知識を総動員し、これを深め、再構築して提示し、悲嘆から立ち直り、壊滅した町や村を再建し、仕事を産業を復興させようとする人々の営みと手を携えて、明るい未来を構築するための歩みをはじめています。その活動は、学内での復興支援研究拠点の設立など研究・教育の場に止まらず、被災者救援のボランティア活動や被災地域の復興策づくりへの参加、政策提言など、極めて広範にわたっております。

 このたび、早稲田大学出版部が、こうした大学の使命を真摯に捉え、大学内外に横溢する復興・再建に貢献したいという多くの教職員・学生の願いに応え、それらを広く社会に届けようと、新しいシリーズ出版企画を提起されたことは、私の大きな喜びとするところです。小さくコンパクトな書物ではありますが、そこに込められた早稲田人の願いと決意の強さは必ず人々の心に届き、皆様の傍らにあって専門知の大きな集積としてお役に立つものと信じ、推薦いたします。(2011年11月)

 

 
 

早稲田大学出版部

代表取締役社長

島田 陽一

ごあいさつ

 2011年3月に起きた東日本大震災は、巨大な地震・津波と原発事故との複合とにより、まさしく“想定外”の甚大な被害をもたらし、その衝撃は世界を震撼させました。それは、人々の思考や行動、そして制度の前提を問い直すものであり、個人・組織・社会の全面にわたる新たな研究と知識の創造を求める出来事でもありました。

 早稲田大学では、いち早くさまざまな復興支援のための行動を起こし、復興研究拠点の設立やボランティア派遣など、多くの研究や支援活動プロジェクトが活発に動き始めました。

 早稲田大学出版部は、大学における知識の創造・普及・保存という使命の一端を担うべく微力を尽くしたいと考え、今回のブックレットを企画しました。これは、震災による打撃から立ち直ろうとする人々の営みや、それを支援する活動・研究の中に、新たな知の誕生を探索し、観察→分析→説明→行動…のすべてのステージから、リアルタイムで広く社会に提供しようとするものです。知識の創造には完成がなく、常に次の高みへの課題に向き合っているという事実に注目し、本企画では、雑誌の機動性と書籍の体系性を併せ持つ形態として、軽快・スマートで親しみやすいブックレットとしてお届けいたします。

 本シリーズは、早稲田大学の広大な分野展開にふさわしく、さまざまな領域の研究・支援活動の成果を収録していきます。これらが力強く蓄積され、震災からの復興が喜びをもって語られるころには、大きな“生きた”知に満ちたエンサイクロペディアとして親しまれていることを期待してやみません。 (早稲田大学理事、早稲田大学法学学術院教授)

 

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