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地域産業構造の変化、少子高齢化、地域経済の空洞化など1990年代から2000年代にかけて日本の地域環境は大きく変化した。それに伴い地域銀行の経営行動はどのように変化したか、豊富なデータとともに分析する。
「近年の環境変化に対する地域銀行の対応を明らかにした本書は、地域銀行や地域金融の研究者にとって必読の書である。また、地域銀行の将来像への有益な示唆も得られるので、地域銀行や行政の関係者にも、一読することを勧めたい。」『季刊 個人金融』2015年夏号(ゆうちょ財団)に書評掲載。評者:永田邦和氏(鹿児島大学法文学部教授)
「著者が資産運用に精通している点で、余人には書けない研究書である。」『生活経済学研究』42号(2015年9月)(生活経済学会)に書評掲載。評者:岩坪加紋氏(摂南大学経営学部教授)
「2000年代に日本の地域金融の分野では、リレーションシップバンキング、あるいは地域密着型金融という政策課題との関連で研究されることが多かったが、本書はそれらとは一線を画し、あくまで実態に即した実証に徹している。」『金融経済研究』第39号(2017年3月)(日本金融学会)に書評掲載。評者:数阪孝志氏(神奈川大学経済学部教授)
そのほか、『証券アナリストジャーナル』2015年7月号(日本証券アナリスト協会)の「証券アナリスト読書室」にも書評掲載。評者:山田能伸氏(ドイツ証券マネージング・ディレクター)
九州共立大学経済学部准教授。
1968年福岡県生まれ。筑波大学第三学群国際関係学類卒業。早稲田大学大学院経済学研究科博士後期課程修了、博士(経済学)。(株)大和総研主任研究員として、年金資産運用のコルティング、機関投資家の資産運用の調査、投資信託評価等を担当した後、ペンシルベニア大学ウォートン・スクール客員研究員、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科非常勤講師、九州大学大学院経済学研究科非常勤講師、(財)年金シニアプラン総合研究機構主任研究員を経る。(株)大和総研で資本市場調査を担当した後、退職し現職。
序章 本書の目的と分析の枠組み
1 地域金融機関としての地域銀行
2 地域経済環境の変化と地域銀行の行動への影響
3 本書の主題と分析枠組み
4 本書の構成
第1章 貸出行動についての分析
1 はじめに
2 地域銀行と地域経済についての概観
3 地域銀行と地域経済に関する先行研究
4 推定モデルの定式化
5 推定結果
6 まとめと今後の課題
第2章 証券投資の決定要因
1 はじめに
2 地域銀行の証券投資に関する先行研究
3 地域銀行の証券投資の概要
4 リスクテイクの分析モデルと推定結果
5 まとめと今後の課題
第3章 投資信託の窓口販売についての分析
1 地域銀行の投信窓販の論点
2 銀行による投信窓販の状況
3 地域銀行の投信窓販の要因分析
4 投信窓販の地域銀行の収益への貢献
5 投信窓販に関する範囲の経済性についての分析
6 結論と今後の課題
第4章 非金利収入の拡大・経営多角化についての分析
1 地域銀行の非金利収入と多角化の論点
2 非金利収入の推移と投信窓販の実施状況
3 非金利収入についての先行研究
4 非金利収入についての実証分析
5 非金利収入についての課題
第5章 株式所有構造から見たコーポレート・ガバナンス
1 銀行のガバナンス
2 地域銀行の外部ガバナンスに関する論点
3 地域銀行の株主構成
4 実証分析
5 まとめと今後の課題
第6章 役員構造から見たコーポレート・ガバナンス
1 はじめに
2 内部ガバナンスに関する先行研究
3 役員構成・規模の決定要因
4 まとめと課題
終章 地域銀行の課題と将来展望
1 はじめに
2 地域の長期的課題に対する地域銀行の方策
3 地域銀行の収益志向と地域への貢献
あとがき
参考文献
索 引
英文要旨