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放射能による食物汚染、遺伝子組み換え食品など、近年ますます注目を浴びる環境問題。この問題に責任をもって対処するために、法律家や行政実務担当者はなにを知らなければならないか。法原則の現実的な解釈適用を考える。
序章 予防原則の適用をめぐる課題
1 予防原則とは
2 予防原則の適用をめぐる課題
3 本書の構成
第1部 予防原則と比例原則
第1章 環 境リスク管理における「保護の水準」(受け容れられるリスクの水準)の意義
1 第1部及び本章の課題
2 震災に関連する話題から
3 受け容れられるリスクの水準の決定規準
4 「受け容れられるリスクの水準」,「適切な保護の水準」等類似用語の関係
5 小括
第2章 保護の水準(受け容れられるリスクの水準)と比例原則
1 本章の課題
2 保護の水準の決定
3 保護の水準の裁量と比例原則による統制との関係
4 小括
第3章 予防原則に基づく措置に対する比例原則による統制
1 本章の課題
2 予防原則と保護の水準の関係
3 予防原則と比例原則の関係
4 第1部まとめ
第2部 予防原則とリスクトレードオフ・一貫性原則
第4章 予防原則とリスクトレードオフ
1 本章の課題
2 予防原則とリスクトレードオフをめぐる問題
3 予防原則批判についての考察
4 まとめ
第5章 環境リスク管理における一貫性原則
1 本章の課題
2 EUの状況
3 WTOの状況
4 考察
第3部 予防原則の適用要件
第6章 予 防原則の適用のための「損害のおそれ」要件――EU の「保護の水準」アプローチの含意
1 本章の課題
2 「深刻な又は回復不可能な」損害のおそれ
3 欧州委員会の「保護の水準」アプローチ
4 「深刻な又は回復不可能な」アプローチと「保護の水準」アプローチとの比較
5 まとめ
第4部 食品安全政策における予防原則
第7章 食 品安全政策における「適切な保護の水準」の重要性――放射性物質・BSE両対策を例に
1 本章の課題
2 食品中の放射性物質汚染への対応をめぐる問題
3 BSEへの対応をめぐる問題
4 わが国の食品安全政策の課題――適切な保護の水準に関連して
5 まとめ
第8章 放射 性物質・BSE 両対策における予防原則の適用状況
1 本章の課題
2 食品中の放射性物質対策と予防原則
3 BSE対策と予防原則
4 まとめ
第9章 国 際貿易分野における予防原則――WTOホルモン牛肉紛争,遺伝子組換え産品紛争の分析から
1 本章の課題
2 ホルモン牛肉紛争,遺伝子組換え産品(GMO)紛争のあらまし
3 SPS協定の「科学に基づく義務」と予防原則の関連
4 まとめ
終章 まとめと今後の課題
あとがき
事項索引
判例索引
英文要旨