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写真:源氏物語の言葉と異国
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源氏物語の言葉と異国

金 孝淑 著

A5判 302ページ

本体 4,900円+税

ISBN:978-4-657-10212-6

amazon.co.jp

作品概要

『源氏物語』には「から」「もろこし」「こま」「くだら」「しらぎ」「ひとのくに」などといったような異国を表わす言葉が多く存在する。またその主人公の名前が異国の相人から名付けられたことからもうかがわれるように、その物語の世界には、異国との交流環境や文化が深く関わっているといえよう。
物語には多様な異国の名があり、そしてその多様な異国は、ときには作中人物を照射し、ときには作中人物と作中人物を関連づけ、またときには作中人物の栄達を裏打ちする権威として存在し働きかける。本書は、『源氏物語』において言葉としてあらわれる異国を中心に、その異国の描かれ方を検討し、その異国の描かれ方が物語においてどのような機能を果たしているのかを分析するものである。

【『早稲田学報』1187(2011年6月号)(早稲田大学校友会)の「本と本棚」に書評掲載。評者:栗山元子氏(千葉経済大学短期大学部非常勤講師)】

目次など

序―〈言葉〉としてあらわれる〈異国〉
●第Ⅰ部 『源氏物語』における異国
第一章 『源氏物語』異国関連用語考―「から」「もろこし」を中心に―
第二章 「知らぬ国」考―絵合における『うつほ物語』提出の意味―
第三章 権威付けの装置としての「唐土」と「高麗」―『うつほ物語』『源氏物語』『狭衣物語』を通して―
第四章 『河海抄』の「異朝」と「本朝」―『源氏物語』の世界を読み解く―
●第Ⅱ部 『源氏物語』の作中人物と異国―末摘花・玉鬘―
第五章 末摘花物語の表現構造―「黒貂の皮衣」と「からころも」―
第六章 大宰府と「唐物」―末摘花とその叔母の「大弐の北の方」を中心に―
第七章 玉鬘と筑紫―物語論・和琴論をめぐって―
第八章 「玉鬘十帖」における「隠ろへごと」の再生産―末摘花巻との対応関係から―
●第Ⅲ部 『源氏物語』の書物と異国―ほん・ざえ・学問―
第九章 『源氏物語』の「本」―〈書かれた物語〉とその主人公―
第十章 光源氏の「才」と「学問」―異国という権威―
第十一章 大学の学生の夕霧と『篁物語』―その表現の類似をめぐって―

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