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写真:民主化と市民社会の新地平
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民主化と市民社会の新地平
フィリピン政治のダイナミズム

五十嵐 誠一 著

A5判 510ページ

本体 8,600円+税

ISBN:978-4-657-11703-8

amazon.co.jp

作品概要

 アジア諸国のなかで、いちはやく民主主義体制への移行を果たしたフィリピン。その移行過程においては、市民社会が重要な役割を果たした。民主主義体制への移行過程において、市民社会はどのような役割を果たし、その実態はどのようなものであったか、また市民社会はいかなる手段で民主主義の定着・発展過程に貢献してきたのか。他のアジア諸国との比較も意識しつつ、市民社会の視座から民主化および民主主義の問題を改めて問い直した若き研究者の意欲作。

第10回日本NPO学会優秀賞受賞。

著者プロフィール(編者、訳者等含む)

「本書はフィリピン市民社会の挑戦から学ぼうとするものにとって、格好の文献であろう。」2013年12月号 アジア経済(Vol. 54,No.4)

目次など

序  論
第Ⅰ部 理 論 編
第1章 分析概念の検討
 第1節 民主化・民主主義
 第2節 市 民 社 会
第2章 分析枠組みの検討
 第1節 構造主義アプローチにおける市民社会
 第2節 移行論と定着論における市民社会
 第3節 国家―市民社会アプローチ
第Ⅱ部 事例編(1)民主主義体制への移行過程
第3章 フィリピン市民社会の歴史的変遷
 第1節 スペイン・アメリカ植民地時代
 第2節 戦後から 1960 年代前半まで
 第3節 1960 年代後半から戒厳令布告まで
 第4節 戒厳令布告以降 
第4章 民主化移行局面における市民社会
 第1節 正統性の失墜
 第2節 アキノ暗殺事件直後の政治的スペクトラム
 第3節 選挙への参加をめぐる市民社会の亀裂
 第4節 市民社会の巻き返し
 第5節 市民社会の分裂と政治社会への吸収
 第6節 市民社会と政治社会の糾合
 第7節 民主化と市民社会の比較考察
第5章 民主化決定局面における市民社会
 第1節 アキノ政権の誕生と憲法制定委員会の発足
 第2節 新憲法草案の審議過程における市民社会と政治社会
 第3節 新憲法草案の基本的特徴
 第4節 新憲法草案の批准をめぐる市民社会と政治社会

第Ⅲ部 事例編(2)民主主義体制の定着過程
第6章 アキノ政権以降の民主主義の実態(1)
 第1節 フィリピンの民主主義の成熟度
 第2節 3G,3P,カシケ民主主義,ボス民主主義
 第3節 エリート民主主義
 第4節 国家の弱さ
第7章 アキノ政権以降の民主主義の実態(2)
 第1節 アメリカ植民地期における政党政治の開始
 第2節 戦後の二大政党制
 第3節 社会経済的条件の変容
 第4節 ポスト・マルコス時代の政党なき民主主義
第8章 アキノ政権以降の市民社会のエンパワーメント
 第1節 現代フィリピンの市民社会の概況
 第2節 新憲法と地方政府法における市民社会条項
 第3節 国家と市民社会との協力関係
 第4節 海外からの援助
第9章 公明選挙と市民社会
 第1節 COMELEC と選挙ガバナンス
 第2節 市民団体の結成の背景と組織概要
 第3節 市民団体の活動概況
 第4節 市民団体の効用
 第5節 市民社会依存型選挙ガバナンスの功罪
第10章 農地改革と市民社会
 第1節 戦後の農地改革から CPAR の結成へ
 第2節 農地改革法の審議過程における CPAR の活動
 第3節 農地改革法成立後の CPAR の活動
 第4節 CPAR 解散後の市民社会の動向
 第5節 農地改革法の施行局面における三者協力
第11章 都市貧困と市民社会
 第1節 都市貧民組織の変遷
 第2節 都市開発住宅法案の審議過程における ULR-TF の活動
 第3節 都市開発住宅法成立後の市民社会の活動
 第4節 共同体抵当プログラムにおける三者協力
 第5節 ローカル・ガバナンスにおける三者協力
結 論

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