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写真:テロ防止策の研究 
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テロ防止策の研究 
国際法の現状及び将来への提言

金 惠京

A5判 392ページ

本体 4,600円+税

ISBN:978-4-657-11007-7

amazon.co.jp

作品概要

罪なき人々をいかに守るか。

いまだ消えない無差別テロの脅威。悲劇を二度と繰り返さないためにはどうすればよいか。気鋭の韓国人研究者が9.11同時多発テロから10年の節目に、韓国・日本・アメリカでの研究成果を踏まえ、テロ防止の国際法体制確立の具体策を提言する。

【教科書・参考書指定】明治大学法学部
【著者インタビュー】YouTube (外部サイト)  テキスト全文

著者プロフィール(編者、訳者等含む)

9.11同時多発テロ事件当時、ニューヨークの家族と離れ、日本で研究を続けていた筆者は家族が事件に巻き込まれたかもしれないと不安な時間を過ごす。結局、その無事は確認されたものの、その後報道等を通じて多くの人々が殺されたことを知った筆者は大きな衝撃を受ける。
 「罪なき人々をいかに守るか――」。当時国際法による従軍慰安婦の人権救済の研究に取り組んでいた筆者は、その湧き上がる思いと法学者としての使命感から、以後10年にわたり、日本・韓国・アメリカ3ヶ国にまたがって国際法によるテロ防止策の研究を続けることとなる。
 本書は同時多発テロ事件から10年の節目の今、筆者のこれまでの研究成果の現時点における集大成として刊行されるものである。現在すでに存在する13の国際テロ関連条約について、その内容と歴史的意義、問題点の分析を行うとともに、将来あるべきテロ防止の国際法体制について実質的提言を行う。
 本書のように、テロ関連の国際法を網羅的に取り上げた類書はわが国ではほとんど存在せず、テロリズム研究者、テロ対策実務担当者をはじめ、国際法研究者、国際政治研究者にとって必読の一冊である。

【『早稲田学報』1192(2012年4月号)(早稲田大学校友会)の「本と本棚」に書評掲載。評者:古谷修一氏(早稲田大学法学学術院教授)】


金惠京 (きむ へぎょん)
明治大学法学部助教。
韓国・ソウル市に生まれる。日本社会への関心が強く、1996年に明治大学法学部入学。2000年、同大卒業後、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科修士課程に入学。従軍慰安婦の国際法的補償に関する研究により修士号(国際関係学)取得。同博士後期課程に進学後は、国際法によるテロリズム規制を研究。2005年にアメリカに渡り、ローファーム Morrison & Foester勤務を経て、ジョージ・ワシントン大学総合科学部専任講師。2010年に早稲田大学より博士(学術)授与。同年、ハワイ大学韓国研究センター客員教授に就任。2012年春より現職。
[主な論文]「「慰安婦」問題解決に対する国際法的考察―国家責任と個人の刑事責任を中心に」(アジア太平洋研究科2002年度修士論文、2002年),「テロ資金調達の国際法的規制に関する研究―アメリカの国内立法事例と国際機構の規制を中心に」(アジア太平洋研究科論集第8号、2004年),「テロリズム規制に関する国際法的研究(A Study from the Perspective of International Law on the Suppression of Terrorism)」(アジア太平洋研究科2009年度博士学位論文、2010年),など。

目次など

序 章
 第1節 テロリズムの法的規制が抱え続ける課題
 第2節 テロリズムへの国際法による対応
 第3節 本書の目的と先行研究
 第4節 研究手法と本書の構成
第1章 テロリズムの歴史,及び現在の様相
 第1節 テロリズムの時代的推移
 第2節 テロリズムの概念と他との差異
 第3節 テロリズムの定義
 第4節 テロリズムの定義をめぐる範囲の明確化の必要性
第2章 法的課題を含むテロリズム対応措置と国際法の位置付け
 第1節 法的課題を含むテロリズム対応措置
 第2節 9.11 同時多発テロ以降の国内法における過度の対応
 第3節 テロリズム規制に関する国際法作成をめぐる経緯
 第4節 適切な法体系の活用に向けて
第3章 条約的対応の先鞭をつけた航空機関連テロ条約
 第1節 航空機テロの輪郭
 第2節 航空機内で行われた犯罪及びその他の行為に関する条約
 第3節 航空機の不法な奪取の防止に関する条約
 第4節 民間航空の安全に対する不法な行為の防止に関する条約
 第5節 国際民間航空に使用される空港における不法な暴力行為の防止に関する議定書
 第6節 航空機テロの変容から見る今後の課題
第4章 外交官及び人質テロに対する規制と限界
 第1節 外交官及び人質テロの輪郭
 第2節 国際的に保護される者(外交官を含む)に対する犯罪の防止及び処罰に関する条約
 第3節 人質をとる行為に関する国際条約
 第4節 条約活用がなされていない人質テロ
第5章 先行条約の空白領域補完を意図した海上テロ対応条約
 第1節 海上テロの輪郭
 第2節 海洋航行の安全に対する不法な行為の防止に関する条約
 第3節 大陸棚に所在する固定プラットフォームの安全に対する不法な行為の防止に関する議定書
 第4節 将来的に懸念される状況に対応するために
第6章 繕いを志向するテロの手法に対する規制
 第1節 テロの個別の手法規制の必要性
 第2節 核物質の防護に関する条約
 第3節 可塑性爆薬の探知のための識別措置に関する条約
 第4節 テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約
 第5節 核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約
 第6節 新しい類型のテロリズムに対する限界
第7章 包括性を志向するテロ資金供与防止条約
 第1節 条約の意義と必要性
 第2節 テロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約
 第3節 従来の国際テロ関連条約から続く課題
第8章 条約によるテロ規制の問題点と対策
 第1節 国際テロ関連条約の問題点
 第2節 韓国に見る国際テロ関連条約の国内的受容問題
 第3節 包括的テロ防止条約の採択問題
 第4節 包括的テロ防止条約の効力拡充に向けて
終 章
 第1節 テロリズムの国際法的規制とその課題
 第2節 将来的な国際法によるテロ対策の課題と可能性
主要参考文献
 <付録Ⅰ> 国際テロリズムに関する包括的条約案
 <付録Ⅱ> 国際連合安全保障理事会決議 1373号

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