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グローバル経済を人々の心で読み解く――。
貿易摩擦や規制強化にともなう保護主義的な潮流を背景に、1980年代後半から議論されているカントリー・バイアス(外国に対する先入態度)。国内で初めてカントリー・バイアスを体系的に論じた一書。グローバル化の進展によって外国がより一層身近なものとなる中、すべてのマーケティング研究者、商品等の海外展開に携わるビジネス関係者、必読。
【推薦のことば】
消費者の心理は、国家や文化の違いによって左右される。そうした違いを理解することなく、真のグローバル化に乗り出すことはできない。本書は、多文化社会の認知構造を解明する手がかりを私たちに与えてくれる。――恩藏直人(早稲田大学常任理事・商学学術院教授)
立命館大学経営学部准教授。
2004年,早稲田大学商学部卒業。ロンドン大学にてMBA(International Management)とMA(Environment, Politics & Globalization)を取得。早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程修了。博士(商学)。九州大学大学院経済学研究院助教等を経て,19年より現職。専門はマーケティング,消費者行動論。
主な論文:
「外国に対する肯定的な態度に着目した消費者行動研究」『JSMDレビュー』1(1), 27-34, 2017年。
Characteristics of cosmopolitan consumers with a global identification: An exploratory analysis of Japanese consumers (co-authorship), International Journal of Marketing & Distribution, 1(1), 1-13, 2017.
「コーズ・リレーテッド・マーケティングと消費者コスモポリタニズム――解釈レベル理論を援用した経験的研究」(共著)『流通研究』21(2), 17-30, 2018年.
「原産国イメージと便益ベースイメージ研究の関係性」(共著)『JSMDレビュー』2(1), 23-28, 2018年。
「対日ギルトと好況感が輸入製品態度へ及ぼす影響――台湾,中国の消費者を対象に」(共著)『JSMDレビュー』4(1), 17-23, 2020年。
序 章 問題の所在と構成
1 本書が生まれた背景
2 本書の目的と構成
第1部 多文化社会を捉える視点
第1章 ポジティブなカントリー・バイアス
1 カントリー・バイアス研究の新潮流
2 ポジティブなカントリー・バイアスに関する概念
3 内集団ニュートラルかつ国家特定的な概念
4 内集団ニュートラルかつ国家非特定的な概念
5 既存研究の考察
6 小括
第2章 ネガティブなカントリー・バイアス
1 源流としての消費者エスノセントリズム
2 ネガティブなカントリー・バイアスに関する概念
3 向内集団かつ国家非特定的な概念
4 内集団ニュートラルかつ国家特定的な概念
5 既存研究の考察
6 小括
第3章 プレイス・リレーテッド・コンストラクトの生成と展開
1 「場所に関連した概念」という視点
2 カントリー・オブ・オリジン研究の展開
3 プレイス・リレーテッド・コンストラクトの経済史的包摂
4 小括
第2部 グローバルとローカルの相互作用に関する研究
第4章 研究の目的と概要
1 グローバルなアイデンティフィケーションへの注目
2 理論的背景
3 研究方法
4 デモグラフィック的な特徴
5 小括
第5章 分析結果
1 揺れ動くアイデンティティ
2 直系の家族
3 後天的な国際的社会ネットワーク
4 教育環境と海外留学
5 パーソナリティ
6 ディスカッション
7 小括
第6章 コスモポリタン的表象
1 コスモポリタン的なモノ・コトの捉え方への注目
2 理論的背景
3 分析結果
4 表象間の関係性
5 小括
第3部 カントリー・バイアスと意思決定方略
第7章 研究の目的と概要
1 求められるコミュニケーション方略への示唆
2 理論的背景と仮説構築
3 小括
第8章 操作された具体性が消費者反応に及ぼす影響
1 心理的距離に注目した3つのスタディ
2 実験1
3 実験2
4 実験3
5 小括
第4部 消費者認知構造の複雑性
第9章 カントリー・バイアスの構造的把握
1 多層性という論点
2 理論的背景と仮説構築
3 調査概要
4 分析1(購買意図と製品判断)
5 分析2(旅行意図と輸入歓迎)
6 小括
終 章 結語および今後の検討課題
1 本書の要約
2 残された課題
あとがき
参考文献
索 引
英文要旨