「知的な身体活動の具現化」として18年間にわたり実践されてきた早大・保﨑研の米国研修。研修のメインイベントは、「現地大学の学生たちを前に、日本文化に関するプレゼンテーションと、その後の質疑応答をすべて英語で行う」ことである。大半の学生たちにとって、すべてが未知の海外。かれらがときには協力しあい、ときには反発しあいながら試練を乗り越えていく姿を、教員・学生双方の報告から検証する。
(本書「はしがき」より)
「人の移動が極度に制限を受けている今こそ、海外研修について焦らず急がずに「準備」という形で、この時期にできること、すべきことを着実に確実に計画し、実行することが、とても重要です。身体の移動がかなわない時は、柔軟な思考や斬新なアイデアを創発させる時期なのです。
では、どのような準備をすればいいのか。海外渡航が再開されたときのためにそのヒントを、本書からつかんでいただければと思います。」
保﨑 則雄…早稲田大学人間科学学術院教授
藤城 晴佳…早稲田大学人間科学学術院助手
土井 香乙里…ものつくり大学技能工芸学部講師
野田 眞理…オハイオ州立大学人文学部教授
Dennis Washburn…ダートマス大学アジア社会・文化・言語学部及び比較文学部教授
渡辺 郁子…ダートマス大学アジア社会・文化・言語学部講師
斎藤 隆枝…国際医療福祉大学総合教育センター助教
寺田 恵理…早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程
齋藤義雄…元ボストン大学メディアディレクター
萩原孝雄…ケース・ウェスタン・リザーブ大学近代言語学部准教授
はしがき(保﨑則雄)
序 章 私たちが実施している研修の構造と内容(保﨑則雄)
第1部 活動の意義を問い直す
第1章 研修前後の振り返りからわかること(保﨑則雄)
第2章 プレゼンテーションを通した学びの往還(藤城晴佳)
第3章 経験から学びを考える(土井香乙里)
第4章 リハーサル、パフォーマンス、ゲーム─―アメリカ研修の体験がもたらす可能性(野田眞理)
第5章 Teaching strategies for study abroad programs(Dennis Washburn+渡辺郁子)
第6章 研修1期の参加から現職へのつながり(斎藤隆枝)
第7章 アメリカ研修後も継続する協働での学び(寺田恵理)
【私たちの研修を支えてくださった方 1】ボストンでのホストの想い出(齋藤義雄)
【私たちの研修を支えてくださった方 2】ケース大学と早稲田大学との交流(萩原孝雄)
第2部 今,活動を振り返って再評価する
研修を振り返って――卒業生39 人の報告
終わらない「おわりに」──経験は美化も醜化もされて然り(保﨑則雄・藤城晴佳)