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写真:大村はま国語教室の単元学習
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大村はま国語教室の単元学習
学習経験の蓄積と構造

甲斐 伊織 著

A5判 270ページ

本体:4,000円+税(2024年4月5日発売)

ISBN:978-4-657-24802-2

TSUTAYA
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紀伊國屋書店
MARUZEN & JUNKUDO
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作品概要

大正時代に起きた新教育運動以降、国語教育において学習者が主体的に学ぶ教育思想、教育実践は繰り返し強調されてきた。しかし、そのような立場は、一般化されたものにはならなかった。本書は、単元学習の実践者として広く知られる大村はま(1906~2005)の実践を研究の対象とし、その課題の克服に向けた知見を得ることが目的である。大村国語教室における個別の単元の成立の背景には、大村の教材研究やそれに基づく手引きなど、大村個人の力量によるものと共に、もう一つの要因がある。それは、大村の指導によって教室に蓄積されてきた学習者の学習経験である。本書では、大村国語教室における学習経験の蓄積の復元・考察を通して、今日の国語教室と共通する、主体的な言語活動を成立させる要素や単元相互の関連、および個々の単元が果たす役割について考察する。

著者プロフィール(編者、訳者等含む)

東京都生まれ。2017年早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。現在、学習院中等科教諭。

目次など

はじめに

序 章 本研究の目的と方法
 第1節 本研究の課題
 第2節 本研究の方法
 第3節 本研究の範囲と構成

第Ⅰ部 横軸からの検討
第1章 入門単元における題材の変化
 第1節 固定化した入門単元における題材
 第2節 単元「ことばの意味と使い方」・「要点ノートの検討」に
     おける話し合いの題材と手引き
 第3節 単元「ことばの意味と使い方」から「一つのことばが
     いろんな意味につかわれている」への改変
 第4節 3年間の見通しに基づく入門単元の設置

第2章 読書会単元における話し合いの指導の変化
 第1節 読書会単元の変化
 第2節 「話し合いの価値」の実感を実現する話し合いの条件
 第3節 実践対象学年に応じた手引きの異同
 第4節 1年生を対象とした読書会における話し合いの指導と
     その変化
 第5節 話し合いの指導の学年による目的の差異

第3章 意見文単元における共有の変化
 第1節 意見文単元における共有の目的の分類
 第2節 自己評価を目的とした共有の指導の変化
 第3節 新たな見方の獲得を目的とした共有の変化
 第4節 意見文単元における共有の異同からみる学習者と
     指導者の位置づけ

第Ⅰ部まとめ

第Ⅱ部 縦軸からの検討
第4章 第1学年の展開―単元「小さな研究」
 第1節 取り上げる単元─「小さな研究」
 第2節 言語技能・知識
 第3節 題材
 第4節 学習集団 

第5章 第2学年の展開―単元「クラスの歌を作る」・「一年生からの手紙」
 第1節 取り上げる単元─①「クラスの歌を作る」
 第2節 取り上げる単元─②「一年生からの手紙」
 第3節 言語技能・知識
 第4節 題材
 第5節 学習集団

第6章 第3学年の展開―単元「外国の人は日本(日本人)をこのように見ている」
 第1節  取り上げる単元─「外国の人は日本(日本人)をこのように見ている」
 第2節 言語技能・知識
 第3節 題材
 第4節 学習集団

第7章 個々の単元の役割―単元「課題図書について考える」
 第1節 取り上げる単元─「課題図書について考える」
 第2節 先行研究による単元の役割の分類
 第3節 分節単元としての単元「課題図書について考える」
 第4節 総合単元としての単元「課題図書について考える」
 第5節 複数の役割を持つ個々の単元

第Ⅱ部まとめ 各要素の3年間の展開 

終 章 本研究の成果と課題
 第1節 研究の成果
 第2節 研究の今後の展開

あとがき
初出一覧
資料編
参考文献
関連授業実践一覧
単元索引
英文要旨

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