家族のオートノミー〔新装版〕

家族のオートノミー
多様化した現代の家族。「婚姻家族」のような、従来の単一の家族観で現代の家族を語ることはできない。家族の変容に着目し、個別的な生き方に根ざした家族のあり方＝自律性（オートノミー）について考える。

はじめに……丸山　茂

第一部　理論編

親族現象と人類学―学説史の回顧と現状―……清水昭俊
「家族戦略」研究の意義と可能性……西野理子
家族戦略と家族政策―母親の就業と保育方法をめぐって―……小島　宏
ミクロストーリアと家族戦略―イタリア移民史研究の視点から―……北村暁夫
家族のレギュラシオン―現代家族法論の可能性―……丸山　茂

第二部　論証編

北陸のあぜちについて―日本社会における隠居慣行の一事例―……網野善彦
農業者とは誰のことか―統計的理性の批判のために―……須田文明
家と村の歴史的位相―有賀喜左衛門の「家」論を手がかりに―……沼田　誠
出稼ぎ労働とハウスの意味……森　明子
一九世紀ドイツ人のアメリカ移民と家族の諸相……的場昭弘

おわりに……橘川俊忠