構造物だけではいのちを守れない。最後の砦の防潮堤が破壊され、激流が町や人々を襲った。従来の研究を根本から問い直す巨大津波の実態。沿岸防災に必要なものは何か。十分な科学的根拠と地域の視点から将来に備える。
平成24年度日本沿岸域学会出版・文化賞受賞。
全国学校図書館協議会選定図書。
※電子版のご購入にあたっては,各電子書店サイトで詳細をご確認ください:
iBook Store*/アマゾンKindleストア/ebookjapan/GALAPAGOS STORE/紀伊國屋書店/コープデリeフレンズ電子書店/セブンネット/東芝ブックプレイス/VarsityWave eBooks/ひかりTVブック/BooksV/Booklive/honto/本よみうり堂デジタル/楽天Kobo/Reader Store/YONDEMILL
*iPhone/iPadなどのiBooksアプリ、またはiTunes Storeで「早稲田大学出版部」を検索してください。
著者紹介
柴山知也 (しばやま ともや)
早稲田大学理工学術院教授(社会環境工学科) 横浜国立大学名誉教授
1953年 東京都文京区本郷に生まれる
東京大学工学部土木工学科卒業,東京大学助教授,横浜国立大学教授などを経て現職
工学博士(東京大学)
著書:「Coastal Processes」 (World Scientific 刊)2009年,「建設技術者の倫理と実践―増補改訂版」(丸善刊)2004年,「建設社会学」(山海堂刊)1996年,沿岸域防災に関する論文多数。
専門:海岸工学,沿岸域防災,建設社会学
津波,高潮,高波に対する沿岸域の被災機構を解明する研究を現地調査,数値予測,水理実験により進めている。2004年のインド洋大津波,2005年のハリケーン・カトリーナ高潮,2006年のジャワ島中部地震津波, 2007年のサイクロン・シドル高潮(バングラデシュ),2008年のサイクロン・ ナルギス高潮(ミャンマー),2009年のサモア諸島沖地震津波,2010年のチリ地震津波,同年のスマトラ島沖地震津波(メンタワイ諸島),2011年の東北地方太平洋沖地震津波などの事例の現地調査を行っている。
序 章 想定を超えた巨大津波
はじめに
1 津波の高さと被害
2 過去の津波との違い
3 調査の概要
第1章 岩手県のリアス式三陸海岸
はじめに
1 宮古市田老地区
2 宮古市
3 宮古市姉吉地区
4 上閉伊郡大槌町
5 釜石市
6 大船渡市
第2章 宮城県のリアス式海岸
はじめに
1 気仙沼市
2 気仙沼市本吉町中島地区
3 本吉郡南三陸町志津川地区
4 牡鹿郡女川町
第3章 宮城県、福島県の低平地
はじめに
1 仙台市若林区
2 名取市
3 亘理郡亘理町
4 相馬市
第4章 茨城県と千葉県
はじめに
1 茨城県東茨城郡大洗町
2 茨城県ひたちなか市平磯町
3 茨城県神栖市,鹿嶋市(鹿島港周辺)
4 千葉県旭市(飯岡漁港周辺)
第5章 今後の減災対策の展開―構造物だけでは人命を守ることはできない
1 早稲田大学における複合災害研究の展開
2 津波防護レベルと津波減災レベル
3 津波想定の見直し
4 津波想定の限界
5 避難の方法と避難場所