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「合気」とは何か?
日本をはじめ世界に広く普及している合気道。
武道家としての卓抜した技法と敬虔な宗教家としての精神性を併せ持ったユニークな存在である合気道創始者・植芝盛平とその弟子たちによる「合気」の概念の形成と展開を歴史的に検討し、日本の武道における合気概念の独自性を考察する。
早稲田大学スポーツ科学研究センター招聘研究員。2005年早稲田大学文学部卒業、2011年同大学院スポーツ科学研究科博士後期課程修了。博士(スポーツ科学)。
主要業績に「合気道における合気の意味:植芝盛平とその弟子たちの言説を中心に」(早稲田大学『体育学研究』第55巻2号、2010年)、「合気道史における海軍大将竹下勇の覚書『乾』、『坤』(1930-1931年)の研究」(早稲田大学『スポーツ科学研究』、2015年)などがある。
序章 合気道とは何か――植芝盛平とその「合気道」の歩み
第Ⅰ部 合気道における「合気」概念の前史
第1章 近世武道伝書にみられる「合気」の用例
はじめに
1.剣術伝書にみられる「合気」
2.柔術伝書にみられる「合気」
3.槍術伝書にみられる「合気」
4.まとめ
第2章 明治期以降の「合気の術」、「気合術」関係書籍にみられる「合気」
はじめに
1.武骨居士『武道秘訣 合気之術』における合気
2.大東流柔術教授代理、佐藤完実の合気
3.気合術と合気術:帝国尚武会、催眠術研究者達が見出したオカルト技術
4.日本の近代における武道概念のオカルト化
5.まとめ
第Ⅱ部 合気道における合気の意味―植芝盛平とその弟子たちの言説を中心に
第3章 植芝盛平の武道修行歴
1.相生流柔術
2.起倒流柔術
3.柳生新陰流剣術 その1
4.柳生心眼流柔術
5.講道館柔道
6.大東流合気柔術
7.柳生新陰流剣術 その2
第4章 大東流柔術期における合気
1.植芝盛平と出口王仁三郎
2.技術としての合気:竹下勇の理解
第5章 基盤形成期における合気
1.出口王仁三郎の武道論
2.植芝盛平の武道論と合気
第6章 基盤確立期以降における合気とその性格
1.植芝盛平の合
2.思想としての合気の展開
3.技術としての合気の展開
4.競技化をめぐる相克
まとめ
結章
1.本書の総括
2.今後の課題