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写真:日本復帰と反復帰
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日本復帰と反復帰
戦後沖縄ナショナリズムの展開

小松 寛 著

A5判 346ページ

本体6,900円+税(2015年6月10日発売)

ISBN:978-4-657-15707-2

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作品概要

戦後沖縄の帰属論争を「日本復帰」と「反復帰」との対立構造と捉え、それぞれの主張を整理し、分析し、その共通性と相違を明らかにする。とくに両者の主張における沖縄民族意識(ナショナル・アイデンティティ)およびナショナリズムの様相と変化に着目する。これらの作業を通して、沖縄が日本に復帰した真の要因を明らかにしながら、戦後の日本と沖縄の関係を再解釈し、その再構築を試みる。《日本図書館協会選定図書》

「琉球政府の尖閣問題への対応を論じた章もあり興味深い。タイムリーに歴史を描いた良書だ」2015年6月21日 毎日新聞 「今週の本棚」。

「沖縄の「民族意識」には緊張関係に立つ多様な思いが絡み合っていることを強く意識させられる。沖縄出身の著者は、深刻化する基地問題の中、地道に資料に寄り添う。状況と誠実に向き合う本書が広く読まれることを望みたい」2015年8月2日 読売新聞 「本よみうり堂」にて紹介。執筆者:牧原出(政治学者・東京大学教授)

著者プロフィール(編者、訳者等含む)

1981年沖縄県生まれ。2011年早稲田大学社会科学研究科博士後期課程単位取得退学。2013年博士(学術)学位取得(早稲田大学)。現在、早稲田大学社会科学部助教。専門は国際関係論、戦後沖縄史。

目次など

序 章 戦後沖縄の帰属論争とは何か

 はじめに
 1 戦後沖縄史における日本復帰、国際政治学における沖縄返還
  (1)戦後沖縄史における「日本復帰」
  (2)国際政治学における「沖縄返還」
 2 分析枠組み、資料および本書の構成
  (1)分析枠組み
  (2)資 料
  (3)本書の構成
 3 ナショナリズム研究におけるネイションの展望と規範性
  (1)国際政治学におけるナショナリズム研究
  (2)歴史学・社会学におけるナショナリズム研究
  (3)政治哲学におけるナショナリズム研究
  (4)小括

 第Ⅰ部 日本復帰

第1章 屋良朝苗の日本復帰運動の原点
—1953年の全国行脚—

 はじめに
 1 屋良朝苗の足跡
 2 沖縄戦災校舎復興募金運動の背景と概要
  (1)背景
  (2)概要
 3 復帰の論理
  (1)日教組教研集会でのスピーチ
  (2)衆議院文部委員会での証言
  (3)紙上座談会
 4 屋良による沖縄および日本への認識
  (1)日本の農業への評価
  (2)植民地としての沖縄
 5 屋良の民族認識
 おわりに

第2章 日本復帰の論理
—民族・平和・国家・天皇—

 はじめに
 1 民族と平和
  (1)民族が意味するもの
  (2)平和への姿勢
 2 復帰と米軍基地をめぐる議論
  (1)沖縄自民党との議論
  (2)沖縄人民党との議論
 3 国家の責任——「母乳論」
  (1)母子のメタファー
  (2)財政支出を巡る日本−沖縄間交渉
 4 天皇への思慕
  (1)天皇来沖への評価
  (2)『屋良朝苗日誌』にみる天皇への思慕
 おわりに

第3章 日本・沖縄間の「本土並み」復帰をめぐる日本−沖縄間の交渉過程

 はじめに
 1 下田発言と2.4ゼネスト(第1回〜第4回会談)
  (1) 第1回会談
  (2) 第2回会談
  (3) 第3回会談
  (4) 第4回会談
 2 「本土並み」をめぐる議論(第5回〜第6回)
  (1) 第5回会談
  (2) 第6回会談
 3 佐藤訪米前後(第7回〜第8回会談)
  (1) 第7回会談
  (2) 第8回会談
 おわりに

第4章 1970年前後における琉球政府による尖閣諸島問題への対応

 はじめに
 1 尖閣諸島調査と管理
  (1) 尖閣海底油田の「発見」
  (2) 尖閣諸島管理の強化
 2 尖閣諸島領有権の国際問題化
  (1) 台湾政府による領有権の主張
  (2) 青天白日旗掲揚事件と琉球政府の対応
  (3) 台湾政府および米国政府の反応
 おわりに

 第Ⅱ部 反 復 帰

第5章 反復帰論の淵源
—1950年代の『琉大文学』を中心に—

 はじめに
 1 反復帰論の概要
  (1)新川明による反復帰論
  (2)『琉大文学』に関する先行研究
 2 沖縄民族意識の目覚め
  (1)琉球大学入学まで
  (2)6号における転換と沖縄民族意識
 3 沖縄における日本の文学論争の受容
  (1)社会主義リアリズムの影響
  (2)国民文学論の影響
  (3)日本の文学論争の受容
 4 先輩世代に対する抵抗心
  (1)痛烈な批判
  (2)批判構図の類似
 おわりに

第6章 反復帰論の構造と特質

 はじめに
 1 反復帰論にとっての日本復帰
  (1)日本復帰までの経緯
  (2)復帰への批判
 2 反復帰論者が想像する沖縄
  (1)最小単位
  (2)規範
 3 反復帰論者にとっての抵抗対象
  (1)新川明にとっての抵抗対象
  (2)岡本恵徳にとっての抵抗対象
  (3)川満信一にとっての抵抗対象
 おわりに

第7章 反復帰論における日本側知識人の影響
—ヤポネシアとアナキズム—

 はじめに
 1 ヤポネシア論とは
  (1)ヤポネシア論の意図
  (2)ヤポネシア論の展開と批判
 2 反復帰論へのヤポネシア論の影響
  (1)反復帰論におけるヤポネシア論
  (2)ヤポネシア論における国家論
 3 反復帰論とアナキズム
  (1)アナキズムの導入
  (2)1960年代のアナキズム論
 おわりに——ヤポネシア論とアジア、反復帰論とアジア

第8章 反復帰論と沖縄独立論

 はじめに
 1 復帰前夜の沖縄独立論
  (1)沖縄独立の論理
  (2)反復帰論との差異
  (3)政治的実践としての国政参加拒否闘争
 2 復帰体制下の反復帰論
  (1)復帰後の反復帰論の諸様相
  (2)独立への志向
 3 1990年代における独立論の再興
  (1) 独立論興隆の時代背景
  (2)「居酒屋独立論」をめぐる論争
 おわりに——終わらない沖縄独立論争

終 章 日本と沖縄,国家と民族

 1 屋良朝苗と新川明の対話
 2 結論
  (1)共通点と相違点
  (2)戦後沖縄政治思想の腑分け
 3 今後の課題

資料『屋良朝苗日誌』
参考文献一覧
索 引
あとがき

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