今日の状況の中で、ジャーナリズムとはどのような営為なのか。どのような意識の位相に立つものなのか。そこから読者・視聴者・オーディエンスにどのようなメッセージを伝えたいのか。メディア企業やジャーナリズム現場で働く若い人たちはもちろん、混迷の時代を生きるすべての人に読んでほしい一冊。
【教科書・参考書指定】 法政大学社会学部
【『教育学術新聞』第2439号(2011年4月20日・水曜日)(日本私立大学協会)の「新刊紹介」に記事掲載】
はしがき───「境界」に立つジャーナリスト
花田達朗
〈境界を疑う〉
ジャーナリズムに女性の視点はあるか
山城紀子 [フリーライター]
私の水俣病報道
村上雅通[ 熊本放送]
アジア取材が活きる、戦争体験者の取材
山本宗補 [フォトジャーナリスト]
〈境界を見つめる〉
「生老病死」を凝視する
大西成明[ 写真家]
『文藝春秋』と『週刊文春』──雑誌作りの現場から
鈴木洋嗣 [文藝春秋]
沖縄・普天間と日米関係の方向
岡村黎明 [メディアアナリスト]
〈境界に立ち尽くす〉
ジャーナリズムから落ちこぼれた雑誌記者の「境界」という曖昧な立ち位置
小林 篤 [フリーライター]
「性分化疾患」──タブーにしたのは誰なのか
丹野恒一 [毎日新聞]
映画『嗚呼 満蒙開拓団』に辿りつくまで
羽田澄子 [記録映画作家]
〈境界から問い返す〉
「ネットカフェ難民」から日本の貧困が見えますか?
水島宏明 [日本テレビ]
戦争の時代を記録する──『NHKスペシャル 日中戦争』より
塩田 純 [NHK]
地方から世界を斬る──グローカルな視点
斉藤光政 [東奥日報社]
〈境界を越えて〉
『日本海軍400時間の証言』取材8年の軌跡
小貫 武 [NHK]
映画『沈黙を破る』が出来るまで
土井敏邦[ 映像ジャーナリスト]
NHK番組改変事件に見る日本のジャーナリズム
長井 暁[ 元NHK]
あとがき
花田達朗