大学・大学院で建築を学んだ女性が、なぜ、大手広告代理店の人気コピーライター職を捨て、留学先のベルギーでファッションデザイナーになったのか――。やわらかくてふわふわな〈質感〉に定評のあるベルギーのファッションブランド「VAN HONGO(ヴァンホンゴー)」のデザイナー・本郷いづみ氏による初の書き下ろし。半年ごとに発表するコレクションから、ファッションデザイナーとして参加する日欧の建築プロジェクトまでを「紆余曲折」(本郷氏)の逸話を交えて活写した。「色」「かたち」「素材」にとらわれてきたファッションが、短い時間軸を超えて建築へ向かったとき、ファッションと建築は独自の融合を始める。現場で息づく〈トランスボーダーの哲学〉が実感できる一冊。
東京都出身。1999年早稲田大学理工学部建築学科卒業。2001年同大学大学院理工学研究科建設工学専攻修士課程修了。博報堂でコピーライターとして活躍後2005年に退社し、ベルギーのアントワープ王立芸術アカデミー・モード科へ留学。10年6月に同アカデミーを卒業。卒業コレクション用にデザインした靴がサシャ・シュー・アワード(Sacha Shoe Award)を受賞。 11年春夏コレクションより自身のブランド「VAN HONGO(ヴァンホンゴー)」をベルギーで立ち上げた。
第一章 色
第二章 最初のショー
第三章 かたち
第四章 大学
第五章 質感
第六章 広告代理店
第七章 テーマがないというテーマ
第八章 アカデミー、そして独立
第九章 建築との再会
第十章 ファッションと建築
第十一章 コレクション
あとがきに代えて