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「社員を守る会社」だけが、生き残る――。
人手不足、離職、メンタル不調、組織の分断。そして先の見えない経営環境。企業はいま、「どう利益を上げるか」だけでなく、「人が安心して働き続けられる組織をどうつくるか」を問われている。
本書が注目するのは、「レジリエンス」と「ウェルビーイング」という二つの視点である。危機から立ち直る力と、働く人が心身ともに良好な状態で働ける環境。この二つを兼ね備えた企業こそが、変化の時代を生き抜くことができる。その考え方と実践を、豊富な事例・調査・理論をもとに解き明かす。
なぜ、倒産危機を乗り越えた企業は再生できたのか。なぜ、社員が意欲的に働く企業では、人と人とのつながりが強いのか。ウェルビーイング経営を実践する企業や経営者の取り組みを通して、「強い組織」に共通する条件を探る。
本書が重視するのは、制度やマニュアルだけではない、“人”を軸にした経営である。理念の共有、信頼関係、対話、やりがい。そうした「ソフト・コントロール」が、企業文化を変え、組織を強くする。
経営者、役員、管理職必読。社員の幸福と企業の持続的成長を両立させるための、新時代の経営書。
専修大学名誉教授。1950年生まれ、愛媛県出身。
早稲田大学商学部卒業、同大学院商学研究科修士課程、博士課程修了。商学博士(早稲田大学)。専修大学商学部専任講師、助教授、教授を経て、現職。専門はリスクマネジメント、保険。日本リスクマネジメント学会会長。
主著に『事例で学ぶリスクマネジメント入門――復元力を生み出すリスクマネジメント思考』(同文舘出版、2012年)、『ビジネス・レジリエンス思考法――リスクマネジメントによる危機克服と成長』(同文舘出版、2016年)、『企業倫理リスクのマネジメント――ソフト・コントロールによる倫理力と持続力の向上』(同文舘出版、2018年、日本リスクマネジメント学会賞受賞)、『リスクマネジメント視点のグローバル経営――日本とアジアの関係から』(編著、同文舘出版、2023年)など多数。
はしがき――筆者の願い
序章 レジリエンスとウェルビーイングを重視した経営
1 現代企業を取り巻く重大リスク――人材リスク
2 社員のウェルビーイングの低さ、ストレスと孤独感の高さ
3 ウェルビーイング経営の利点
4 企業不正の抑止力に
【コラム】「人との関係性」を模索する現代企業
第1章 企業のレジリエンスの源泉(1)
1 池内タオル――連鎖倒産からの苦境を克服
2 酔仙酒造――東日本大震災からのレジリエンス
3 埼玉イーグルバス――過疎化というソーシャル・リスクへの挑戦
【コラム】IKEUCHI ORGANICの未来ビジョン
第2章 企業のレジリエンスの源泉(2)
1 ビジネス・レジリエンスのマネジメント・プロセス
2 研究者による分析
【コラム】ポールマンとウインストンの見解
第3章 ウェルビーイング経営の進化
1 京セラの稲盛和夫
2 伊那食品工業の塚越寛
3 ソシオ・コンパニーの考え方
4 ソシオ・コンパニーの実践例(1)――三谷産業
5 ソシオ・コンパニーの実践例(2)――ユニリーバ・ジャパン
6 ソシオ・コンパニーの実践例(3)――イケア・ジャパン
7 ソシオ・コンパニーの実践例(4)――ムーンファクトリー
8 まとめ
【コラム】「職場の孤独」のリスクマネジメント
第4章 ウェルビーイング経営と経営者
1 二人のウェルビーイング経営者
2 稲盛和夫の経験
3 塚越寛の経験
4 ウェルビーイング経営の倫理的体質と経営者の役割
【コラム】優良企業の特徴
第5章 ウェルビーイング経営の要素
1 フロー理論と心理的安全性
2 ギャラップ調査と既存研究からみた職場のウェルビーイング要素
3 ウェルビーイング経営の共通要素
第6章 グローバル・ビジネスとウェルビーイング経営
1 外国人ワーカーとのウェルビーイング観の違い
2 ベトナム日系企業社員に対するアンケート調査
3 ベトナム人ワーカーのウェルビーイング
4 コロナ後のベトナム人ワーカーのウェルビーイング観
【コラム】ベトナム進出企業の異文化面に関する悩みと対応
終章 レジリエンスとウェルビーイングの共通要素とマネジメント
1 レジリエンスとウェルビーイングの共通要素
2 「つながり」づくりの人材リスクマネジメント
3 「つながり」の濃淡によるウェルビーイング感
4 ウェルビーイング経営導入時のポイント
あとがき
参考文献