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社会科学とはどんな学問なのか。アダム・スミス、ヘーゲル、マルクス、ケインズ等の思想を実際の社会問題に即して解説し、社会科学の基礎から応用までを分りやすく説く。
【教科書・参考書指定】 早稲田大学社会科学部
科学はそれぞれの分野が枝分かれしながら発展してきた。社会科学も、経済学、政治学、社会学、法律学、商学などに分かれ、これがさらに細分化されている。しかしあまりに細分化されすぎて、いずれの社会諸科学も、現実の社会現象を捉えられなくなった。
それゆえ1960年代に入ると、社会現象を把握する科学をめざす「社会科学の総合化」が試みられるようになった。この「社会科学の総合化」は、ひとつには「社会システム論」によってなされているが、これは整合的なシステムに乗らない社会現象の矛盾や、人々の感情に由来する現象を捉えることが難しい。
本書はこの点を克服して現象をトータルに捉えることを目指し、哲学・思想を基礎にして社会諸科学の総合化をはかる。それはこの基礎のもとに、近代社会の歩みを「理論・政策・歴史」の3面から解明するところの「近代社会の論理学」にほかならない。(田村正勝)
Ⅰ 社会科学の反省
1 近代社会および近代文明の根本問題
2 社会科学(The Social Science)
3 中世社会の構造と人間観の展開
4 近代社会の成立と葛藤
5 「人間性の宗教」の誕生
Ⅱ 社会科学ならびに科学的認識の本質
6 社会科学の誕生
7 自由経済
8 合理主義および科学の本質と近代史の展開
9 近代的認識批判
Ⅲ 自由主義経済社会の理論と軌跡
10 資本主義経済の発展と慢性不況の経済学
11 階級対立の理論的解明
12 ケインズおよびマルクスの理論による日本経済の検証
Ⅳ 経済と法および政治の展開と人間疎外
13 経済と法および法治国家と民主主義
14 景気対策から政治国家へ
15 行政の肥大化と官僚政治
16 政党政治と民主主義および議会制民主主義の蘇生
17 人間疎外の変遷と深化
Ⅴ 科学・哲学・宗教と道徳およびエートス
18 政治学の哲学的展開と必然・自由・偶然
19 道徳の回復と企業の社会的責任
20 社会のエートスと宗教
21 日本人のエートスと精神的ダイナミズム