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似鳥 雄一 著
新書判 308ページ / 本体:1,200円+税(2025年12月24日発売)
自力救済の時代といわれる中世。そこに生きる“中世人(ちゅうせいびと)”たちは、なぜ大人しく税を納めていたのか? そもそも、それは「大人しく」だったのか? 彼らが税の見返りに求めたものとは何で、荘園経営を担う領主たちはその要望に対し、どのような“見返り”を提供していたのか? 本書は、荘園における課税と納税の論理、徴税の実際をこまやかに追うことで、荘園制、ひいては中世社会の本質をあぶりだし、その変質と衰退とが、室町幕府という政治権力のふるまいやありようをも左右したことにまで言及する。新進気鋭の荘園研究者が、社会経済史、民衆史の最新成果をもとに挑む、税の本質、人間社会の本質に迫る論考。
劉宋・范曄 著 / 唐・李賢 注 / 渡邉 義浩 訳
文庫版 728ページ / 定価:1,550円+税(2025年12月11日発売)
大好評「後漢書」シリーズ第9巻は「列伝」の5巻目。後漢後期~末期を生きた臣下たちの伝記を収録する。たとえば楊震。賄賂を渡そうとしてきた部下に、「天知る、神知る、我知る、なんじ知る」と言い、受け取りを拒否した「四知」の教えで知られる。「清白」の名を子孫に遺し、「四世三公」(最高位にある3つの官職の経験者を4代にわたり輩出したこと)の家柄の基を築いた。さらには馬融。外戚でありながら、経学者、文学者として、『論語』をはじめとする数多くの書物の注釈を著した。そして蔡邕。母の死後、「三年の喪」を実直に行い、宦官との確執を経て武将の董卓を支えた。権力争いが激化するなか、傑士たちの生涯が描かれる。
【収録人物】
李恂、陳禅、龐参、陳亀、橋玄、崔駰、周燮、黄憲、徐稺、姜肱、申屠蟠、千乗貞王、平春悼王、清河孝王、済北恵王、河間孝王、城陽懐王、広宗殤王、平原懐王、張晧、王龔、种暠、陳球、杜根、欒巴、劉陶、李雲、劉瑜、謝弼、虞詡、傅燮、蓋勳、臧洪、張衡、馬融、蔡邕ほか。
孫 佳茹 著
A5判 298ページ / 定価:5,000円+税(2025年11月28日発売)
中国においてボーイスカウトは「童子軍」と呼ばれ、中華民国期に学校の内外で広く推進されていた。イギリスでロバート・ベーデン‐パウエルによって創立されたスカウト運動の理念を受け継ぎ、中国国内の青少年教育に取り入れ国際的で非軍事的な活動に力を入れていた童子軍運動であったが、戦争の影響によってやがて変転を余儀なくされる――。清末上海租界の外国人による少年組織から民間教育者による児童本位の活動、そして、戦時下の銃後動員まで教育と訓練の間でゆれるその足跡を、豊富な史料にもとづき克明にたどる。
小和田 哲男 著
新書判 244ページ / 本体:950円+税(2025年11月28日発売)
「秀長が生きていたら、家康の出る幕はなかった!」――秀吉の弟にして、豊臣政権ナンバー2ともいわれる豊臣秀長。あまたの戦国武将が、血を分けた兄弟と骨肉の争いを繰り広げたのに対し、秀長は、兄秀吉からもっとも信頼され、その天下統一事業を、あるときは合戦の場で、またあるときは交渉の場で支えていく。秀吉家臣団のなかで余人をもって代えがたい地位を占めていた秀長も、やがて体調を崩し、天正十八(1590)年に始まる統一事業の総仕上げ「小田原攻め」にも参加できないまま、翌年正月に52歳で亡くなってしまう。優れた調停役を失った豊臣政権内で、その代役として急速に頭角を現すのが後の天下人、徳川家康であった。本書では、秀長の実像を最新の研究成果をもとに明らかにしつつ、たんなるナンバー2を超えた“もう一人の天下人”という新たな秀長像を提示する。
伊藤 怜 著
A5判 308ページ / 定価:5,000円+税(2025年11月14日発売)
ローマから北西約100kmに位置するラツィオ州の小都市トゥスカーニアに建つ、サン・ピエトロ旧司教座聖堂。11世紀末に遡る聖堂には、中世イタリアの貴重な壁画装飾がある。これまでみなされていた、同聖堂がローマ周辺における古代異教・初期キリスト教美術の再解釈と刷新現象の好例という視点から離れ、本書ではトゥスカーニアに特殊なモティーフに着目する。アプシスと南北小アプシスの配置や組み合わせ、南小祭室、勝利門壁面、内陣北壁、クリュプタをそれぞれ図像学的に論じ、同聖堂の装飾プログラムを提唱する。
森本 豊富 著
新書 222ページ / 定価:1,100円+税(2025年10月17日発売)
明治元年にハワイへの集団渡航が始まり、今では日系アメリカ人の数は約150万人にのぼる。彼らの祖先である移民1世や日系2世は、パイオニアとしてさまざまな試練を経験している。そのうち第二次世界大戦は個々の人生にも、家族の在りかたにも影を落とした出来事だった。強制収容所で隔離され、国籍を喪失したケースも起き、戦後、収容体験については沈黙されてきた。四半世紀にわたり、在米日系人に聞き取り調査をしてきた著者が、貴重な証言とともに在米日系人史を概説する。彼らの「語り」から見えてくるものとは。在米日系人はどのように社会的地位を確立させていったのか。日系社会の礎となった人々の物語。
劉宋・范曄 著 / 唐・李賢 注 / 渡邉 義浩 訳
文庫判 596ページ / 本体:1,350円+税(2025年8月1日発売)
大好評「後漢書」シリーズ第8巻は「列伝」の4巻目。後漢初~中期の安定を支えた臣下たちの伝記を収録する。まずは袁安。霊帝(後漢末期の第12代皇帝)死後の宮廷を牛耳る董卓と対立し諸侯同盟の盟主として活躍した袁紹の祖先にあたる。「孟氏易」を家学とし、「四世三公」(最高位にある3つの官職の経験者を4代にわたり輩出したこと)とうたわれた名門「汝南袁氏」の基礎を築く。さらには王充。当時広く信仰されていた陰陽五行説や儒教による讖緯思想を非合理として否定し、天を主宰神ではなく物体であると主張した。そして班超。歴史家の家系に生まれながら武功を求めて西域へ赴き、「虎穴に入らずんば虎児を得ず」と、匈奴と対峙。ついには50余国を平定し、後漢に最大版図をもたらす。自身の志を貫いたからこそ成しえた偉業の数々。
【収録人物】
第五倫、鍾離意、宋均、寒朗、東海恭王劉彊、沛献王劉輔、楚王劉英、済南安王劉康、東平憲王劉蒼、阜陵質王劉延、広陵思王劉荊、臨淮懐公劉衡、中山簡王劉焉、琅邪孝王劉京、朱暉、楽恢、何敞、鄧彪、張禹、徐防、張敏、胡広、張酺、韓棱、周栄、郭躬、陳寵、梁慬、楊終、李法、翟酺、応奉、霍諝、爰延、徐璆、王符、仲長統、千乗哀王劉建、陳敬王劉羨、彭城靖王劉恭、楽成靖王劉党、下邳恵王劉衍、梁節王劉暢、淮陽頃王劉昞、済陰悼王劉長ほか。
小倉 聖 著
A5判 302ページ / 定価:5,000円+税(2025年6月27日発売)
古代中国において、「刑徳」は政治・時令・災害と関わる概念だったが陰陽学説を取り入れ、やがて陰陽・術数の概念を持つようになり吉凶を示すものとなった。移動形態・移動周期に基づいた占いに用いられた「刑徳」には、主に北斗七星の動きに連動した「刑徳七舎」と、太陰の動きに連動した「二十歳刑徳(刑徳大遊)」、日(六日)毎の移動である「刑徳小遊」の理論がみられる。それらの理論の変遷を解明する、刑徳理論の完全版。自然科学的理論である陰陽と五行に基づいた占術が、空間表象においてどのように考えられていたのか。古代中国人の思想に迫る。
渡邉 義浩 著
新書判 312ページ / 本体:1,200円+税(2025年4月30日発売)
古来、中国の歴史は「物語」により表現されてきた。その伝統は、周代の金文に始まり、以降「物語」は、諸子百家による啓蒙活動に用いられ、前漢になり儒教が国教の地位を得ると、その経典の解釈書に採り入れられていく。続く後漢において「古典中国」(後世の中国が規範とした中国の原型)が成立すると、訓詁学の隆盛を背景に『春秋左氏伝』が「物語」と歴史との接点を回復し、「史伝」へと発展。やがて『史記』を起源とする紀伝体にくわえ、『漢書』のように国ごとに歴史を描く断代史の体裁が定められ、国家が自らの正統性を担保するための「正史」という形で結実する――本書では、「物語から史書へ」と至る以上の経緯を、『尚書』『尚書大伝』『詩経』『韓詩外伝』『論語』『墨子』『孟子』『荀子』『荘子』『韓非子』『春秋公羊伝』『春秋穀梁伝』『春秋左氏伝』『国語』『史記』『漢書』『三国志』といった数多くの古典から引用しつつ、古代中国において思想と国家が「物語」によって正統化されていく実相として、ひもといていく。
劉宋・范曄 著 / 唐・李賢 注 / 渡邉 義浩 訳
文庫判 640ページ / 本体:1,400円+税(2025年4月25日発売)
大好評「後漢書」シリーズ第7巻は、臣下の伝記を収めた「列伝」の3巻目。後漢「儒教国家」を支えた文官たちの生涯を辿る。たとえば班固。国史改作の汚名を着せられながらもその冤罪を晴らし、やがて『漢書』編纂をなしたという。さらには鄭玄。儒学の師として馬融のもとに弟子入りするも、馬融に3年間会えないまま勉学に勤しむことを余儀なくされたという。艱難辛苦に屈することなく、巨大な事跡を残した傑物たちの物語。