ホーム > 歴史・哲学
大日方 純夫 著
新書判 304ページ / 本体価格:1,050円+税(2024年11月25日発売)
1882(明治15)年10月、早稲田で東京専門学校が開校した。文明開化が起こり外国の文書が多く流入していた時代に、邦語(日本語)教育を提唱したのが、東京専門学校設立に参加した小野梓だ。これは「学問の独立」を目的としたもので、のちに東京専門学校が早稲田大学になった際に教旨に掲げられた。小野梓は大隈重信のブレーンとして、大隈を党首とする立憲改進党を立ち上げ、自由民権運動へ身を投じた。歴史のうねりの中、日本社会の変革をめざし33年10カ月の生涯を走り抜けた。小野梓の思想はどのように育まれ、実践へうつされていったのか。早稲田の建学に照準を定めながら、最新の研究成果を新資料とともに探る。
Tomohiro Sakai 著
A5判 396ページ / 本体:7,000円+税(2024年9月20日発売)
分析哲学では外在主義がほぼ定説となっている一方、チョムスキー以降の言語学では内在主義が当然視されている。両主義の間には明白な対立があるにもかかわらず、哲学者が現代言語学の研究に言及することはほとんどなく、逆に言語学者が外在主義に言及することもほとんどない。
外在主義が「言語表現は外的環境の事物を指示し、文は真理値をもつ」ことを前提とするのに対し、チョムスキーは「意味の理論にとって指示や真理の概念は無用である」との立場をとってきた。しかしながら認知言語学はチョムスキー派言語学と異なり、言語使用者と外的環境の相互作用が意味と概念の成立基盤をなすと考える理論であり、外在主義と無関係ではありえない。
外在主義の想定と認知言語学の想定の両立可能性を仔細に検討し、哲学と言語学の架橋を図った画期的研究。※全編英語
Externalism is the philosophical thesis that meaning and mental content are partly dependent for their individuation on one’s social or physical environment. If externalism is true, then two speakers who are molecule-for-molecule identical may nevertheless have different thoughts and mean different things by employing exactly the same word forms. Externalism and its implications have not received sufficient attention in the linguistics literature.
The goal of this book is to investigate the relationships between externalism and cognitive linguistics. Human cognition is biased toward both the internalist conception of linguistic meaning and the externalist conception of natural kinds. Neither bias is rooted in reality. Social externalism coheres with cognitive linguistics. Physical externalism, by contrast, is incompatible not only with cognitive linguistics, but also with biology, chemistry and the philosophy of science. Nevertheless, the physical externalist intuition can be accommodated by the cognitive linguistic apparatus.
村松 聡・宮田 裕光・小村 優太 編著
新書判 418ページ / 本体:1,300円+税(2024年9月6日発売)
心と身体はどのような関係なのか――。この問いは古来より人々に探求されてきた。心と身体は異なるものなのか、あるいはどのようにつながっているのか。心理学、哲学、仏教研究、東洋思想、文化史、文化人類学、教育学において、それぞれの視点から心と身体のつながりを問い直す。異分野間を横断する13章が新たな地平を切り拓く。人間観が深まる、心身論の最前線。
劉宋・范曄 著 / 唐・李賢 注 / 渡邉 義浩 訳
文庫判 564ページ / 1,300円+税(2024年8月9日発売)
大好評の「後漢書」シリーズ第5巻に当たる本書では、臣下の伝記を収めた「列伝」の1巻目として後漢初期の英傑35人の伝記を収録。動乱の時代を生き抜いた、二千年前の洞察と智謀とが克明に綴られる。
【収録人物】
劉玄、劉盆子、王昌、劉永、龐萌、張歩、李憲、彭寵、盧芳、隗囂、公孫述、斉武王劉縯、趙孝王劉良、城陽恭王劉祉、泗水王劉歙、安成孝侯劉賜、成武孝侯劉順、順陽懐侯劉嘉、李通、王常、鄧晨、来歙、鄧禹、寇恂、馮異、岑彭、賈復、呉漢、蓋延、陳俊、臧宮、耿弇、銚期、王覇、祭遵
青木 弘 著
A5判 320ページ / 本体:4,000円+税(2024年3月15日発売)
本書では、群馬県と埼玉県の横穴式石室を対象に、古墳の階層性を成立させた築造技術体系と造墓集団に迫る。横穴式石室は、複雑な工程と多様な技術が駆使された土木建造物であり、およそ6世紀から7世紀にかけて、各地で膨大な数が築かれた。横穴式石室の築造技術を分析することで、造墓集団の地域展開を明らかにする。また、分析にあたり実施した横穴式石室の調査では、文化財への利用が促進されている三次元計測やSfM/MVS(Structure from Motion/ Multi-Video Stereo)を活用し、定性的分析や定量的分析を実践することで、個別の成果に加えて、3D技術を用いた調査・研究方法の利点や課題を示す。
本野 英一 著
A5判 カラー口絵8ページ+本文414ページ / 本体:5,000円+税(2023年12月8日発売)
メディアをにぎわす中国の商標権侵害、その起源は明治日本にあった!
現在世界中で問題になっている、中国企業による外国製品商標の侵害行為。その手口は、明治期に日本企業が西洋企業製品を標的に行っていた手口と、それを合法化していた日本政府の法解釈を取り入れたものだった――。
国内外にある膨大な文書を通じて、知られざる歴史的事実を明らかにした画期的研究。
【訂正情報】巻末の著者紹介におきまして、誤りがございました。お詫びのうえ、下記の通り訂正させていただきます。
正誤表(盗用から模造へ).pdf
加藤 一郎 著
新書判 190ページ / 本体:900円+税(2023年11月10日発売)
日本の本質を問うとき、国家形成期に立ち戻るとみえてくるものがある。律令制度が取り入れられるまえ、古墳時代に倭王権がどのように国家を形成していったのかをなぞり、日本列島のありようを浮かび上がらせる。そこには倭独自の思想・統治体系があったのではないか。宮内庁で天皇陵古墳の発掘調査に従事する著者が新たな古墳時代像を導き出す。