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ジョージ・リッツア 著 / 正岡 寬司 訳
文庫判 688ページ / 本体:1,800円+税(2024年12月23日発売)
2008年10月に刊行し大好評を得た同名単行本が、満を持して文庫化! マックス・ウェーバーの近代合理化理論の現代版として展開される脱人間化社会の理論「マクドナルド化」。その骨子は、「効率性」「計算可能性」「予測可能性」「制御」の4つの次元にあったが、本書では原書が刊行された2004年当時の時代的要請に応え、「合理性のもたらす非合理性」という新たな次元についても検討が加えられている(7章)。さらには、グローバル化(globalization)が進行するなか、世界の均質化が進むいっぽうで新たな地域性も生まれるという一見矛盾する状況に対し、リッツアは「グローカル化(glocalization)←→グロースバル化(grobalization[リッツアによるgrowthからの造語])」と「存在(something)←→無(nothing)」という2つの座標軸を用いながらユニークな分析を加えたうえで、脱人間化社会に対する抵抗を試みる――真に人間らしい社会を希求する人びとにとって必読の書。
劉宋・范曄 著 / 唐・李賢 注 / 渡邉 義浩 訳
文庫判 676ページ / 1,500円+税(2024年12月9日発売)
大好評「後漢書」シリーズ第6巻は、臣下の伝記を収めた「列伝」の2巻目。初代皇帝の光武帝から、2代・明帝、3代・章帝、4代・和帝までに仕えた、後漢初期の能臣たちの伝記を収める。
たとえば馬援。62歳のとき、武陵五溪蛮討伐の出陣を願い出て光武帝に制止されるも、それを振り切り馬に飛び乗る。その姿を見た光武帝が笑って曰く、「矍鑠(かくしゃく)としているな、この翁は」。元気な老人を形容する「矍鑠」の典拠になったという。さらには竇憲。和帝即位の翌年、南匈奴を率いて北匈奴を破ると、北匈奴が西進。その後裔が、やがてヨーロッパを脅かすフン族になったとされる。
中国大陸を縦横無尽に、壮大なスケールで活躍する英傑たちの物語。
【収録人物】
任光、李忠、万脩、邳彤、劉植、耿純、朱祐、景丹、王梁、杜茂、馬成、劉隆、傅俊、堅鐔、馬武、竇融、馬援、卓茂、魯恭、魏覇、劉寛、伏湛、侯覇、宋弘、蔡茂、馮勤、趙憙、牟融、韋彪、宣秉、張湛、王丹、王良、杜林、郭丹、呉良、承宮、鄭均、趙典、桓譚、馮衍、申屠剛、鮑永、郅惲、蘇竟、楊厚、郎顗、襄楷ほか。
田原 加奈子 著
A5判 248ページ / 本体:5,000円+税(2024年11月29日発売)
歌合は和歌行事として平安時代の貴族社会で始まり、遊戯的要素が強かったものが様式の変化に伴い、次第に文芸性が高まっていった。新たな展開を見せたのは『古今和歌集』の成立後ほどない村上朝期(946〜967年)。この勅撰和歌集の残像のなか、歌合の表現は醸成されていった。これらの発展には何が寄与したのか。女集団たる後宮と、男集団たる内裏・臣下の歌合の様相にこそ鍵がある。村上朝前後で和歌表現はどのように展開していくのか。それぞれの歌合の性質に寄り添い、歌合史の視点から文学的な躍動の始まりを村上朝期に見出す新たな表現論。
大日方 純夫 著
新書判 304ページ / 本体:1,050円+税(2024年11月25日発売)
1882(明治15)年10月、早稲田で東京専門学校が開校した。文明開化が起こり外国の文書が多く流入していた時代に、邦語(日本語)教育を提唱したのが、東京専門学校設立に参加した小野梓だ。これは「学問の独立」を目的としたもので、のちに東京専門学校が早稲田大学になった際に教旨に掲げられた。小野梓は大隈重信のブレーンとして、大隈を党首とする立憲改進党を立ち上げ、自由民権運動へ身を投じた。歴史のうねりの中、日本社会の変革をめざし33年10カ月の生涯を走り抜けた。小野梓の思想はどのように育まれ、実践へうつされていったのか。早稲田の建学に照準を定めながら、最新の研究成果を新資料とともに探る。
Tomohiro Sakai 著
A5判 396ページ / 本体:7,000円+税(2024年9月20日発売)
分析哲学では外在主義がほぼ定説となっている一方、チョムスキー以降の言語学では内在主義が当然視されている。両主義の間には明白な対立があるにもかかわらず、哲学者が現代言語学の研究に言及することはほとんどなく、逆に言語学者が外在主義に言及することもほとんどない。
外在主義が「言語表現は外的環境の事物を指示し、文は真理値をもつ」ことを前提とするのに対し、チョムスキーは「意味の理論にとって指示や真理の概念は無用である」との立場をとってきた。しかしながら認知言語学はチョムスキー派言語学と異なり、言語使用者と外的環境の相互作用が意味と概念の成立基盤をなすと考える理論であり、外在主義と無関係ではありえない。
外在主義の想定と認知言語学の想定の両立可能性を仔細に検討し、哲学と言語学の架橋を図った画期的研究。※全編英語
Externalism is the philosophical thesis that meaning and mental content are partly dependent for their individuation on one’s social or physical environment. If externalism is true, then two speakers who are molecule-for-molecule identical may nevertheless have different thoughts and mean different things by employing exactly the same word forms. Externalism and its implications have not received sufficient attention in the linguistics literature.
The goal of this book is to investigate the relationships between externalism and cognitive linguistics. Human cognition is biased toward both the internalist conception of linguistic meaning and the externalist conception of natural kinds. Neither bias is rooted in reality. Social externalism coheres with cognitive linguistics. Physical externalism, by contrast, is incompatible not only with cognitive linguistics, but also with biology, chemistry and the philosophy of science. Nevertheless, the physical externalist intuition can be accommodated by the cognitive linguistic apparatus.
村松 聡・宮田 裕光・小村 優太 編著
新書判 418ページ / 本体:1,300円+税(2024年9月6日発売)
心と身体はどのような関係なのか――。この問いは古来より人々に探求されてきた。心と身体は異なるものなのか、あるいはどのようにつながっているのか。心理学、哲学、仏教研究、東洋思想、文化史、文化人類学、教育学において、それぞれの視点から心と身体のつながりを問い直す。異分野間を横断する13章が新たな地平を切り拓く。人間観が深まる、心身論の最前線。
劉宋・范曄 著 / 唐・李賢 注 / 渡邉 義浩 訳
文庫判 564ページ / 1,300円+税(2024年8月9日発売)
大好評の「後漢書」シリーズ第5巻に当たる本書では、臣下の伝記を収めた「列伝」の1巻目として後漢初期の英傑35人の伝記を中心に収録。動乱の時代を生き抜いた、二千年前の洞察と智謀とが克明に綴られる。
【収録人物】
劉玄、劉盆子、王昌、劉永、龐萌、張歩、李憲、彭寵、盧芳、隗囂、公孫述、斉武王劉縯、趙孝王劉良、城陽恭王劉祉、泗水王劉歙、安成孝侯劉賜、成武孝侯劉順、順陽懐侯劉嘉、李通、王常、鄧晨、来歙、鄧禹、寇恂、馮異、岑彭、賈復、呉漢、蓋延、陳俊、臧宮、耿弇、銚期、王覇、祭遵ほか。
西晉・司馬彪 著 / 梁・劉昭 注 / 渡邉 義浩 訳
文庫判 684ページ / 本体:1,500円+税(2024年4月25日発売)
大好評「後漢書」シリーズ第4巻は、前巻に引き続き、制度史に当たる「志」を取り上げる。「天人相関説」による自然哲学、地方行政制度、官制・職制、宮中での乗りものと装束についての礼制――後漢帝国、激動の196年間を読みとくための、もう一つの視角がここにある。
青木 弘 著
A5判 320ページ / 本体:4,000円+税(2024年3月15日発売)
本書では、群馬県と埼玉県の横穴式石室を対象に、古墳の階層性を成立させた築造技術体系と造墓集団に迫る。横穴式石室は、複雑な工程と多様な技術が駆使された土木建造物であり、およそ6世紀から7世紀にかけて、各地で膨大な数が築かれた。横穴式石室の築造技術を分析することで、造墓集団の地域展開を明らかにする。また、分析にあたり実施した横穴式石室の調査では、文化財への利用が促進されている三次元計測やSfM/MVS(Structure from Motion/ Multi-Video Stereo)を活用し、定性的分析や定量的分析を実践することで、個別の成果に加えて、3D技術を用いた調査・研究方法の利点や課題を示す。
本野 英一 著
A5判 カラー口絵8ページ+本文414ページ / 本体:5,000円+税(2023年12月8日発売)
メディアをにぎわす中国の商標権侵害、その起源は明治日本にあった!
現在世界中で問題になっている、中国企業による外国製品商標の侵害行為。その手口は、明治期に日本企業が西洋企業製品を標的に行っていた手口と、それを合法化していた日本政府の法解釈を取り入れたものだった――。
国内外にある膨大な文書を通じて、知られざる歴史的事実を明らかにした画期的研究。
【訂正情報】巻末の著者紹介におきまして、誤りがございました。お詫びのうえ、下記の通り訂正させていただきます。
正誤表(盗用から模造へ).pdf