
ホーム > 書評に出た本・受賞した本
阿部 敦 著
新書判 250ページ / 本体:1,200円+税(2026年6月19日発売)
日本の介護は、「崩壊」の瀬戸際にあるのか――。
本書は、この切実な問いから出発し、「財源がないから仕方がない」「人手不足は避けられない」といった、いま広く共有されている“常識”に真正面から疑問を投げかける。
国の決算を丹念に読み解くと、毎年数兆円規模の「使い残し」や、想定を上回る税収が生じているという、あまり知られていない現実が浮かび上がる。にもかかわらず、なぜ社会保障は抑制され続けるのか。本書はこの核心に迫り、介護をめぐる政策の全体像を鮮やかに描き出す。
さらに、低賃金・重労働、人材不足、外国人材への依存、ICT化の推進といった諸問題が、市場主義のもとで連動しながら深刻化してきた構造を解明する。具体的な分析を通じて、「このまま進めば何が起きるのか」をリアルに提示する。
介護の問題を「個人の努力」ではなく「社会の仕組み」の問題として捉え直す視点が、いまこそ求められている。現状を変えるための打開策を、データと論理に基づき、説得力豊かに示す。
親の介護が気になり始めた方、仕事と介護の両立に不安を抱える方、そして自らの老後を安心して迎えたいと願うすべての人へ。日本の介護の未来を考えるための、必読の一冊。
[補足]本書137頁では、介護支援専門員(ケアマネジャー)について「国家資格ではなく、都道府県が認定する公的資格である」と記述しております。この記述は、執筆当時に広く共有されていた認識に基づくものです。
その後、2026年5月22日の衆議院厚生労働委員会において、厚生労働省老健局長より、介護支援専門員について「法律に規定された国家資格として位置付けている」との答弁がありました。本書刊行後の動向として、補足いたします。(2026年7月7日)
石橋 省三・星 浩 編著
新書判 250ページ / 本体:900円+税(2023年12月18日発売)
現代日本のジャーナリストは、何を基準とし、誰に向けて、何を発信しようとしているのだろうか。湛山の思想がどう受け継がれてきたのか、また、どう引き継いでいこうとしているのか。以上をテーマに2023年6月17日、早稲田大学大隈記念講堂で開催された石橋湛山没後50年記念シンポジウムを、本書の第一部で採録する。
本書第二部は、より歴史的な観点から石橋湛山の人物と事績について紹介する。湛山と早稲田大学の関係、湛山の経済思想、言論人時代と政治家時代を通じての言論と行動について、気鋭の研究者たちによる論文を掲載。また、湛山の理念を次代のジャーナリストに伝える取組みである「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」についても紹介する。
大石 紘一郎 著
四六判 224ページ / 本体:1,800円+税(2023年11月27日発売)
ジョン・レノン、オノ・ヨーコ両氏の作詞・作曲による計14曲(【目次】にはない「女性上位万歳」を含む)の歌詞(原則として、英文原詞と著者による訳詞)を収録・掲載し、それぞれの楽曲が発表された当時の政治・社会情勢や本人たちの言動を紹介しながら、アーティストとしての二人の活動の意味と狙いを、著者独自の政治学という視点から分析。今日の社会が抱える政治・社会問題との共通性を示しつつ、彼らの活動の普遍的な意味と価値を明らかにする。当時第一の関心事であったベトナム戦争を背景に、戦争反対のみならず、国家の意思決定や宗教に対する懐疑、女性蔑視への抗議など、ジョンとヨーコが投げかけた先見的なメッセージは、今日の読者にとっても新鮮なものであり、60~70年代への再評価の動きとあわせて、ビートルズ世代を中心に広く読者の支持を得られること請け合いである。
白木 三秀 著
新書判 218ページ / 本体:900円+税(2023年7月28日発売)
コロナ禍におけるテレワークの普及は、人びとの働き方だけでなく、企業の人事(HR)部門にも大きな地殻変動を引き起こした。すなわち、従業員の採用・育成・評価・処遇といった従来の業務を越えて、従業員一人一人が望む働き方をふまえ、その人にふさわしいキャリア形成を支援する役割がHR部門に求められるようになったのである。
こうした動きは以前からあったが、この流れを決定的にしたのがテレワークの普及であった。テレワークが人びとの働き方や人事部の現場に与えたインパクトを、データのほか、HR部門担当者や「駐妻」たちとの座談会を通じて明らかにする。また、テレワークに従事する従業員の労働時間規制の問題や、正社員の配置転換命令にみられる企業人事権が今後どのように変わるのか、という法的問題についても考察する。
日本企業の人事部の今後あるべき姿について、人的資源管理研究の第一人者が提言。HR担当者、必読の一冊。
米村みゆき 著
四六判 272ページ / 本体:2,000円+税(2023年7月14日発売)
◆日本アニメーション学会賞受賞!◆
『ハウルの動く城』『魔女の宅急便』『崖の上のポニョ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』etc…。多くの人が耳にし、また実際に観たことがあるであろうこれらの作品には、実は原作がある。ダイアナ・ウィン・ジョーンズ、角野栄子、夏目漱石、宮沢賢治などによる原作である。宮崎監督はそうした原作に依拠しつつ、類まれな脚色力=〈翻案〉力を発揮することによって、まさに〈視覚的文学〉ともいうべき独自の世界を構築してきた。
オリジナルを超える名作はどのように生みだされたのか。〈翻案〉の魔術師・宮崎駿の創作の秘密に、アニメーション研究の最前線に立つ著者が迫る。本書を読めば、全く新しい視点からジブリ作品を楽しめるようになる!
渡部春佳 著
A5判 312ページ / 本体:4,000円+税(2023年4月14日発売)
地域の文化政策において自治体の財政負担を削減させることを目的とするNew Public Management型改革。2000年代、地方自治法改正による施設の指定管理者制度の導入を受け、とりわけ公立文化施設において急速に取り入れられた。昨今、公立文化施設は地域社会において社会的便益を見据えた活用が求められており、運営する自治体はステークホルダーと持続的な関係を構築しながら公共的価値をいかに形成していくかが問われている。本書では、地方議会議事録をもとにアカウンタビリティの実態を分析し、自治体の文化政策の進むべき方向性を考察する。
小田 健太 著
A5判 264ページ / 本体:4,000円+税(2023年3月10日発売)
中国唐代の「鬼才」、詩人・李賀の表現者としての有り様を浮かび上がらせる。李賀の詩における詩語や詩句、およびモチーフに焦点を絞り、表現上の試行の独自性を、複層的な観点から明らかにする。李白・杜甫・韓愈・白居易といった詩人たちによる類型表現との比較を通して、それぞれの表現を通時的・共時的に読み深める。李賀は、どのように先行する表現を受容したのか、あるいはそれと対峙したのか。そして、李賀はいかにして表現者としての自己を自律的に語っていたのかを探る。
松島 芳彦 著
新書判 230ページ / 本体:900円+税(2022年9月2日発売)
ロシア大統領のプーチンが2022年2月24日に始めた「ウクライナ侵略戦争」は誤算が続く。国外逃亡のデマが流れたウクライナ大統領のゼレンスキーは首都キーウにとどまり、専守防衛の陣頭指揮を執る。キーウ制圧を諦め、ドンバス地方の東部戦線に兵力を再編成せざるを得なくなったプーチンに、欧米の経済制裁が重くのしかかる。核兵器の使用を示唆しながらも第三次世界大戦の勃発を巧妙に避ける「皇帝プーチン」に勝算はあるのか――。プーチンが卒業したレニングラード大学で学んだ国際ジャーナリストが、圧倒的取材力・分析力・表現力でもってプーチンの本性、ロシア拡張主義の源泉、欧米の二枚舌外交に迫る歴史ドキュメント。いつ、どこで、なぜ、皇帝が間違ったのかが、この1冊で分かる。
李 立栄 著
A5判 328ページ / 本体:4,000円+税(2022年7月15日発売)
近年中国では、シャドーバンキングと呼ばれる銀行以外の金融仲介が急速に発達し、実体経済の新規資金調達の半分以上を占めている。本書は、中国におけるシャドーバンキングの発展メカニズムを辿る一方、その潜在的なリスクを考察する。
日本ではほとんど知られていない最新の一次情報に基づき、中国のシャドーバンキングについて理論的な考察を加え、類型化した本邦初の本格的研究。
早稲田大学アカデミックソリューション 編
A5判 100ページ / 本体:1,100円+税(2022年6月10日発売)
「大学図書館でのカウンター業務で役に立つ!」がコンセプトのシーン別英語フレーズ集です。図書館のカウンターにおいて、実際の業務でよくある問い合わせ、対応しにくいと感じるシチュエーションを取り上げました。約7000人の外国人学生が学ぶ早稲田大学の図書館員が、シチュエーションとフレーズを厳選。また、図書館員としての心構えやホスピタリティについてもふれます。図書館カウンターで働く新人、その成長を見守る先輩のキャラクターと一緒に楽しく学びましょう。
「この一冊で、大学図書館員として十分に力を発揮できる」
早稲田大学図書館長 ゲイ・ローリー
■2022年度私立大学図書館協会協会賞 受賞