ホーム > 社会・教育
早稲田大学 理工学術院統合事務・技術センター 編
A5判 352ページ / 本体:4,000円+税(2023年12月25日発売予定)
2019年4月、早稲田大学 先進理工学部に一人の全盲の学生が入学した。小学2年生の時に全盲となった彼女は、筑波大学附属視覚特別支援学校中学部、都立高校を経て、早稲田大学を受験。みごと現役合格を果たしたのである。そこで課題に直面したのは早稲田大学であった。はたして、どのようにすれば全盲の学生に大学の実験科目を履修してもらうことが可能なのか。この課題に、中心となって対応したのが、早稲田大学 理工学術院統合事務・技術センターの技術部に所属する技術職員たちであった。彼らはつねに彼女に寄り添いながら、学内外のステークホルダーたちを巻き込みつつ、高等教育機関として、当該の実験科目を通じて彼女に何を伝えるべきなのか、という根本的な問題意識の下に奔走する。その技術部の視点から綴った、現場からの報告が本書である。ダイバーシティやインクルージョンの重要性が叫ばれるなか、視覚障害教育に携わる人たちにとってはもちろん、すべての教育関係者にとって貴重な示唆に富んだ、他に類を見ない一冊である。
福村 真紀子 著
A5判 270ページ / 本体:4,000円+税(2023年12月25日発売予定)
「日本では何もできない」。夫の国である日本に移住したものの、日本語が自在に操れず、孤立していた子育て中の外国人女性のことばである。出自国と日本との経済格差により弱い立場に置かれることも多く、社会で活躍するチャンスも奪われ、人的ネットワークも築けない。そのような結婚移住女性たちのコミュニケーションの力を、いかに育てればよいのか。日本語教師である著者が立ち上げた、結婚移住女性と日本人女性が交流する親子参加型サークルでの実践研究をもとに、地域日本語教育の在り方を考える。コミュニケーションの力が育つ過程で〈ことばの学び〉がどのように促されるのか、エスノグラフィーを通して浮かび上がらせる。
山本 剛 著
A5判 288ページ / 本体:4,000円+税(2023年9月4日発売)
紛争や迫害により故郷を追われた人は2022年に1億人を超え、難民の数はこの10年間で2.5倍となった。国連機関は「恒久的解決策」の実現を目標に掲げ最前線の現場で人道支援に奔走しているが、なぜ恒久的な解決にむかうことなく避難生活を強いられ続けているのだろうか。本書はこの問題意識に基づき人間の安全保障の視座から恒久的解決策を問い直すものである。世界最多の難民出身国であるシリアの難民問題と、世界最多の難民受け入れ国のトルコを含む三つの一次庇護国を事例として分析していく。脆弱性の高い難民の保護の緊急性や重要性にくわえ、能力強化、それも難民受け入れ国や社会との社会的結束を築き生活を再建するための能力強化の必要性と可能性を提示する。
渡部春佳 著
A5判 312ページ / 本体:4,000円+税(2023年4月14日発売)
地域の文化政策において自治体の財政負担を削減させることを目的とするNew Public Management型改革。2000年代、地方自治法改正による施設の指定管理者制度の導入を受け、とりわけ公立文化施設において急速に取り入れられた。昨今、公立文化施設は地域社会において社会的便益を見据えた活用が求められており、運営する自治体はステークホルダーと持続的な関係を構築しながら公共的価値をいかに形成していくかが問われている。本書では、地方議会議事録をもとにアカウンタビリティの実態を分析し、自治体の文化政策の進むべき方向性を考察する。
渡邉 義浩 著
新書判 284ページ / 本体:900円+税(2023年4月3日発売)
大隈重信については、これまで多くの伝記が書かれてきたが、大隈がどのような教育を受け、教育に対してどのような思いを抱き、どのような志のもとで早稲田大学を創設したのかについて、十分に扱われたものはそう多くはなかった。内閣総理大臣を二度も務めた大隈の伝記は、当然のことながら当時の政治や社会情勢に関する記述が中心となるためである。本書は、そうした大隈の教育者としての側面に注目し、その来歴を紹介しつつ、大隈と共に政府を下野し立憲改進党を結成、東京専門学校(現・早稲田大学)の開校に加わった小野梓をはじめ、「早稲田四尊」と呼ばれる高田早苗、坪内逍遥、天野為之、市島謙吉らの業績、そして歴代総長の事績に至るまで、今日の“Waseda Vision 150 and Beyond”に連なる早稲田大学の歴史が、一気に俯瞰できる内容となっている。他にも、各学術院設立の経緯や、オリンピアンをはじめとする早稲田大学出身のアスリートの活躍などにも言及、巻末の参考文献リスト「さらに深く知りたい人のために」も大変重宝する。「早稲田大学」を知るうえで、必読かつ最良の入門書。
神田 恵美子 著
A5判 316ページ / 本体:4,000円+税(2022年10月18日発売)
音声言語教育は、指導と評価方法が定着していないため、その重要性にもかかわらず、教育現場では実践につながりにくいものとなっている。しかし、日常生活や学校生活において、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」のうち最も頻度が高く基礎となるのは「聞くこと」であり、社会に出た後も「聞く力」が試される。高校教師だった筆者が、発達段階ごとに「聞くこと」の能力を育成する授業と評価方法を開発。国語以外での教科や、社会人研修での取り組みの可能性も考察する。
福島 淑彦 著
新書判 222ページ / 本体:900円+税(2022年9月12日発売)
ダイバーシティ先進国であるスウェーデンには、積極的に移民を受け入れ、ジェンダー平等を推進してきた歴史がある。多様な人が尊重されるための制度が構築されており、男女間で差のない有給育児休業制度、ジェンダーの変更を合法的に許可する性別識別法は、世界で初めて導入された。人々が安心・安全に暮らせるスウェーデン社会は、透明性が高く、真の民主主義国家である。どのような社会であれば、暮らす人々が幸福を感じられるのか。スウェーデンの政治経済、国防、社会システムをなぞりながら解説する。
早稲田大学出版部 編
新書判 262ページ / 本体:900円+税(2022年6月8日発売)
長崎原爆の日(8月9日)に市長が読む「平和宣言」は通算73回に及ぶ。恒久平和を訴え「人類生存の道を残すため(中略)兵器用核物質の生産禁止、生物・化学兵器の廃絶、そして通常兵器の軍縮に取り組むべき」「人類と核兵器は共存できない」(1995年)と警告する。ウクライナ危機ではっきりした核抑止論の破綻。「巨大な破壊力があるから核は戦争を抑止する」という保有国の主張は根拠が崩れ、核の使用を阻んできたのは被爆者の存在であることが分かった。「被爆者のいない時代」が迫る今、「核に翻弄される世界」と「核のない世界」のどちらを選ぶべきか。自滅か生存か―。宣言全文に加え、田上富久市長のインタビューを収める。『「平和宣言」全文を読む―ヒロシマの祈り』の姉妹編。芥川賞作家・青来有一、長崎大教授・吉田文彦両氏の解説が、長崎平和宣言は「世界平和宣言」であることを明らかにする。
(制作協力:長崎市、長崎大学核兵器廃絶研究センター、長崎新聞社)
湯川 次義 著
A5判 895ページ / 本体:9000円+税(2022年4月15日発売)
敗戦直後からGHQの主導で行われた教育改革によって、男女平等の精神に基づく女性の大学教育が成立した。その後、1950年代初頭までの間、全国各地で女子大学の設置が相次いだほか、男子大学の共学大学化が進んだ。
日本における女性の大学教育の成立について、特性教育の行方にも言及しつつ、豊富な資料をもとに検証する。女子高等教育史に関心を持つすべての人、必読の書。
Koichi Negayama 著
A5判 269ページ / 本体:4,000円+税(2022年4月7日発売)【電子版】
かつては子どもが求めても、親の愛情は部分的にしか満たされなかった。だが少子化・家事の省力化が進んだ現代、母が子の要求をすべて満たせば愛情の過剰摂取になりかねない。動物行動学とフィールド研究が教える、ほどよいヒトの子育てのかたちとは。発達行動学の権威が全編英語でつづる。
【出版社から】
When purchasing Kindle Edition from overseas
→ https://www.amazon.com/dp/B09X552HKR/
この書籍には紙版もございます。ご購入は全国書店およびAmazonなどのネット書店にて承っております。