マクロ経済学と経済制度

政策を実現するためには、どのような経済制度が最適なのか。日本の税制や社会保障制度と所得税改革との関係、先進国の租税負担率・財政政策・金融政策・為替レート制度などについて、マクロ経済学の観点から分析を試みる。

はしがき……馬場義久

第Ⅰ部　学史

回復と改革……若田部昌澄
　―米国ニューディール期における制度学派とマクロ経済学―
高橋亀吉の経済思想……田中秀臣
　―実践マクロ経済学とリフレ的構造改革―

第Ⅱ部　金融・財政

財政政策・金融政策の相互依存性のもとでの政策当局の行動……荒木一法
不完備契約，経済成長とその安定性……黄巍・岩本光一郎・鈴木久美
内生的貨幣供給理論の一考察……得田雅章
グループ貸付における借り手間のリスク相関の重要性……松田慎一
体制移行期における中国の財政制度……于　洋
所得税改革の基本方向……馬場義久
　―財政制度の役割分担の観点から―

第Ⅲ部　国際マクロ・産業立地

開放小国の最適な為替レート制度……飯田幸裕・北村能寛・秋葉弘哉
　―管理フロート制に関する一考察―
何が政府の信認を決めるのか?……中田勇人・佐藤綾野
　―アルゼンチンのケース―
製造業の集積と特化……青柳龍司
　―工業統計データを用いた分析―