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アメリカは、独立・建国以来、自由という概念を存立基盤に据えてきた。その国歌には、戦争を経て自由を勝ち取った誇りが刻まれている。では、アメリカに暮らす普通の人々は、日常生活の中で、自由をどのように感じ、自由について何を悩み、自由をいかに実践しようとしてきたのか。本書は、ボブ・ディラン、ジョニ・ミッチェル、リッチー・ヘヴンス、イーグルス、ニール・ヤング、マルティナ・マクブライドなどによるポピュラー音楽の作品を題材に、その軌跡を辿る。人々の心を揺さぶってきたのは、人種差別への抵抗、政権への批判、社会的弱者への眼差し、家庭内暴力の告発、「本当の自分」を生きることへの切望を表現した、数々の名曲である。実証政治学者として欧米でも高く評価される筆者が、独自の歌詞テキスト分析や現役ミュージシャンへのインタビューなどを織り交ぜ、アメリカの自由を論じる。
1962年東京都生まれ。上智大学法学部卒業。イェール大学修士(国際関係論)。スタンフォード大学博士(政治学、Ph.D.)。ブリティッシュコロンビア大学助教授、フーバー研究所ナショナルフェロー、青山学院大学助教授を経て、2003年より早稲田大学政治経済学術院教授。主な著書にJapan’s Postwar Party Politics(Princeton University Press)、『制度』(東京大学出版会)、『政治を科学することは可能か』(中央公論新社)など。
第1章 自由の概念とポピュラー音楽
第2章 ヒット曲に「自由」はどう登場するのか
――歌詞のテキスト分析(1960~2011)
第3章 異なる時代の歌詞に映し出される自由
第4章 レジェンドが歌う自由
第5章 自由を歌い継ぐストリート・ミュージシャンたち
第6章 自由を歌う、自由に歌う