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劉宋・范曄 著 / 唐・李賢 注 / 渡邉 義浩 訳
文庫判 740ページ / 本体:1,650円+税(2026年8月28日発売)
大好評「後漢書」シリーズ第11巻は「列伝」の7巻目。皇甫嵩が黄巾の戦いを平定したのち、群雄割拠の後漢は、袁紹が官渡の戦いで曹操に敗北し終焉へと突き進む。後漢を事実上滅ぼした董卓は、『三国志』よりも、さらに悪が強調される。ほかに朱儁・劉虞・公孫瓚・陶謙・劉表・劉焉・袁術・呂布といった群雄の伝記を収録する列伝七は、『三国志』との読み比べを堪能できる。おおむね、『三国志』と裴松之注から史料をとる『後漢書』であるが、『東観漢記』や「七家後漢書」など独自の史料を起源とする記述もあり、范曄の評と共に、『三国志』とは異なる後漢末・三国への歴史観が浮かび上がる。さらに循吏、酷吏、宦者、儒林、文苑の各伝を収録。
小和田 哲男 著
新書判 274ページ / 本体:1300円+税(2026年8月25日発売)
よく知られる墨俣一夜城をはじめ、備中高松城の水攻めや、小田原攻めにおける石垣山築城等々、秀吉による天下統一への道のりは、自らの土木の才能をいかんなく発揮した城郭活用術の進化プロセスでもあった。秀吉が手掛けた数かずの城郭を時系列で追いながら、それぞれの立地や築城経緯、縄張りに天守、石垣などの構造を分析。さらには合戦や政略への具体的な効果までひもときながら、その天下統一の偉業を総覧しつつ、「戦う城」から「見せる城」へと移行する、城郭史上の一大画期をも俯瞰するという、他に類を見ない一冊となっている。また2020年、京都仙洞御所内での発掘調査によってその遺構の一部が発見された「京都新城」は、文献上ではその存在が認められながら、考古学上は長らく未発見に留まっていた“幻の城”であったが、本書はその発掘調査の最新成果にまで言及。豊臣政権永続の布石として築かれた京都新城の威容を描き出さんとする。
劉宋・范曄 著 / 唐・李賢 注 / 渡邉 義浩 訳
文庫判 604ページ / 本体:1,350円+税(2026年4月13日発売)
大好評「後漢書」シリーズ第10巻は「列伝」の6巻目。後漢末期の臣下には、曹操を評価し、共に乱世を駆け抜け、抵抗して殺された人物も多く含まれる。たとえば、人物批評家の許劭は、「治世の能臣、乱世の姦雄」と曹操を看破する。さらには、曹操が「我が子房(劉邦の天下統一を助けた張良)」を得たと「王佐の才」を称えた荀彧。曹操を支えて天下分け目となった官渡の戦いで袁紹と曹操を比較しながら分析し、四つの点で勝る曹操の勝利を予言する。しかし、やがて曹操が漢を滅ぼそうとすると、それに抵抗して殺された。陳寿による『三国志』とは異なり、曹魏に遠慮のない『後漢書』は、漢の忠臣として荀彧を描き出す。孔子二十世孫の孔融も、曹操に抵抗して殺されていくなか、四百年続いた漢帝国に滅亡の時が迫る。
【収録人物】
左雄、周挙、黄瓊、荀淑、韓韶、鍾皓、陳寔、李固、杜喬、呉祐、延篤、史弼、盧植、趙岐、皇甫規、張奐、段熲、陳蕃、王允、劉淑、李膺、杜密、劉祐、魏朗、夏馥、宗慈、巴粛、范滂、尹勳、蔡衍、羊陟、張倹、岑晊、陳翔、孔昱、苑康、檀敷、劉儒、賈彪、何顒、郭太、符融、許劭、竇武、何進、鄭太、孔融、荀彧ほか。
三﨑 良章 著
A5判 カラー口絵6ページ+294ページ / 定価:7,700円(税込)(2026年2月13日発売)
墳墓内の壁面等に画像を描いた壁画墓は、中国において前漢前期に築造が始まったものの、後漢末期以降は衰退していった。一方、魏晋十六国時代の間も周縁地域では築造が続いていた。本書ではとくに中国北部の壁画墓群に注目し、その図像の分析から映し出された政治・社会の動向を解き明かす。
魏晋十六国時代、中国北部地方では漢族だけではなく、匈奴・羌族・盧水胡・鮮卑等さまざまな非漢族が居住していた。遼寧と河西、遼陽と朝陽など、地域ごとの特徴も検討し、漢族と非漢族をめぐる複雑な居住状況を明らかにする。揺れ動く社会は壁画墓にいかに刻まれたのか。図版多数掲載。
似鳥 雄一 著
新書判 308ページ / 本体:1,200円+税(2025年12月24日発売)
自力救済の時代といわれる中世。そこに生きる“中世人(ちゅうせいびと)”たちは、なぜ大人しく税を納めていたのか? そもそも、それは「大人しく」だったのか? 彼らが税の見返りに求めたものとは何で、荘園経営を担う領主たちはその要望に対し、どのような“見返り”を提供していたのか? 本書は、荘園における課税と納税の論理、徴税の実際をこまやかに追うことで、荘園制、ひいては中世社会の本質をあぶりだし、その変質と衰退とが、室町幕府という政治権力のふるまいやありようをも左右したことにまで言及する。新進気鋭の荘園研究者が、社会経済史、民衆史の最新成果をもとに挑む、税の本質、人間社会の本質に迫る論考。
劉宋・范曄 著 / 唐・李賢 注 / 渡邉 義浩 訳
文庫版 728ページ / 定価:1,550円+税(2025年12月11日発売)
大好評「後漢書」シリーズ第9巻は「列伝」の5巻目。後漢後期~末期を生きた臣下たちの伝記を収録する。たとえば楊震。賄賂を渡そうとしてきた部下に、「天知る、神知る、我知る、なんじ知る」と言い、受け取りを拒否した「四知」の教えで知られる。「清白」の名を子孫に遺し、「四世三公」(最高位にある3つの官職の経験者を4代にわたり輩出したこと)の家柄の基を築いた。さらには馬融。外戚でありながら、経学者、文学者として、『論語』をはじめとする数多くの書物の注釈を著した。そして蔡邕。母の死後、「三年の喪」を実直に行い、宦官との確執を経て武将の董卓を支えた。権力争いが激化するなか、傑士たちの生涯が描かれる。
【収録人物】
李恂、陳禅、龐参、陳亀、橋玄、崔駰、周燮、黄憲、徐稺、姜肱、申屠蟠、千乗貞王、平春悼王、清河孝王、済北恵王、河間孝王、城陽懐王、広宗殤王、平原懐王、張晧、王龔、种暠、陳球、杜根、欒巴、劉陶、李雲、劉瑜、謝弼、虞詡、傅燮、蓋勳、臧洪、張衡、馬融、蔡邕ほか。
孫 佳茹 著
A5判 298ページ / 定価:5,000円+税(2025年11月28日発売)
中国においてボーイスカウトは「童子軍」と呼ばれ、中華民国期に学校の内外で広く推進されていた。イギリスでロバート・ベーデン‐パウエルによって創立されたスカウト運動の理念を受け継ぎ、中国国内の青少年教育に取り入れ国際的で非軍事的な活動に力を入れていた童子軍運動であったが、戦争の影響によってやがて変転を余儀なくされる――。清末上海租界の外国人による少年組織から民間教育者による児童本位の活動、そして、戦時下の銃後動員まで教育と訓練の間でゆれるその足跡を、豊富な史料にもとづき克明にたどる。
小和田 哲男 著
新書判 244ページ / 本体:950円+税(2025年11月28日発売)
「秀長が生きていたら、家康の出る幕はなかった!」――秀吉の弟にして、豊臣政権ナンバー2ともいわれる豊臣秀長。あまたの戦国武将が、血を分けた兄弟と骨肉の争いを繰り広げたのに対し、秀長は、兄秀吉からもっとも信頼され、その天下統一事業を、あるときは合戦の場で、またあるときは交渉の場で支えていく。秀吉家臣団のなかで余人をもって代えがたい地位を占めていた秀長も、やがて体調を崩し、天正十八(1590)年に始まる統一事業の総仕上げ「小田原攻め」にも参加できないまま、翌年正月に52歳で亡くなってしまう。優れた調停役を失った豊臣政権内で、その代役として急速に頭角を現すのが後の天下人、徳川家康であった。本書では、秀長の実像を最新の研究成果をもとに明らかにしつつ、たんなるナンバー2を超えた“もう一人の天下人”という新たな秀長像を提示する。
伊藤 怜 著
A5判 308ページ / 定価:5,000円+税(2025年11月14日発売)
ローマから北西約100kmに位置するラツィオ州の小都市トゥスカーニアに建つ、サン・ピエトロ旧司教座聖堂。11世紀末に遡る聖堂には、中世イタリアの貴重な壁画装飾がある。これまでみなされていた、同聖堂がローマ周辺における古代異教・初期キリスト教美術の再解釈と刷新現象の好例という視点から離れ、本書ではトゥスカーニアに特殊なモティーフに着目する。アプシスと南北小アプシスの配置や組み合わせ、南小祭室、勝利門壁面、内陣北壁、クリュプタをそれぞれ図像学的に論じ、同聖堂の装飾プログラムを提唱する。
森本 豊富 著
新書 222ページ / 定価:1,100円+税(2025年10月17日発売)
明治元年にハワイへの集団渡航が始まり、今では日系アメリカ人の数は約150万人にのぼる。彼らの祖先である移民1世や日系2世は、パイオニアとしてさまざまな試練を経験している。そのうち第二次世界大戦は個々の人生にも、家族の在りかたにも影を落とした出来事だった。強制収容所で隔離され、国籍を喪失したケースも起き、戦後、収容体験については沈黙されてきた。四半世紀にわたり、在米日系人に聞き取り調査をしてきた著者が、貴重な証言とともに在米日系人史を概説する。彼らの「語り」から見えてくるものとは。在米日系人はどのように社会的地位を確立させていったのか。日系社会の礎となった人々の物語。