
ホーム > 文学・芸術
陣野 俊史 著
新書判 240ページ / 本体:1200円+税(2026年11月13日発売)
「考えが韻を選び、韻がコトバに社会性を導き入れる。そして批評が歴史を記す。」
――いとうせいこう(作家・クリエーター)
アメリカによるイラク空爆、東日本大震災、安全保障関連法の成立――2000年代になり、日に日に濃くなる抑圧の影。そうした時代の空気に対して日本語ラップは鋭く反応してきた。米軍基地の町に暮らす人々や移民たちの声ものせ、歌われた抵抗の言葉の数々。ECD、Awich、NORIKIYO、DARTHREIDERらのリリックを辿るとともに、元SEALDsの「コーラー」牛田悦正のインタビューも収録し、運動の現場の声も伝える。ここに照らし出されるポリティカル・ラップの系譜!
ホルスト・ブレーデカンプ 著 / 藤代 幸一・津山 拓也 訳
四六判 274ページ / 定価:3,200円+税(2026年9月7日発売)
名著復活!!
16世紀から18世紀のヨーロッパで、貴族や学者が自らのコレクションを陳列するために作り出したクンストカマー。ヴンダーカマー=驚異博物館とも呼ばれるその収集室は、豪華絢爛な美術品のコレクションを展示するのみではなく、ときに奇妙な機械、剥製、玩具、異国物、武具といったものからなる混沌世界を覗かせた。
その驚異の世界を探究した古典的名著が本書である。著者ブレーデカンプは、陳列室の空間に人間と自然の関係のありようを見た。「自然物―古代の彫像―人工物―機械」というクンストカマーの原理から、自然と人工とは、そして芸術とは、と問いかける。その考察の範囲は、チェリーニの逸話にはじまり、フランシス・ベーコン、デカルト、キルヒャー、ライプニッツ、リンネ、ゲーテからパウル・クレーまでにわたる。1996年刊行の法政大学出版局(叢書・ウニベルシタス)版に加筆修正を施し、原著2000年版で追加された「新版へのあとがき」を新たに訳出した。「凋落一途の人文系が立ち直れる稀有のチャンスが来た。」(高山宏氏・帯文より)解説=田中純「ブレーデカンプのプログラムークンストカマーからイメージ学へ」。帯=高山宏。エディトリアル・デザイン=佐藤ちひろ(工作舎)。
米田 有里 著
A5判 308ページ / 定価:5,000円+税(2026年5月22日発売)
鎌倉時代、後鳥羽院のもとで誕生した『新古今和歌集』。それは後鳥羽院が圧倒的な情熱を傾けたゆえの結晶であり、和歌史上において一つの到達点に至った。他方で、後鳥羽院は王政復古を目指し、歌壇に摂関・大臣家の歌人がつどったことは前代にない特質である。本書では政治性の強い権門勢家の貴族達の視点にたち、後鳥羽院歌壇での政治的側面を明らかにする。大臣家の土御門家と摂関家筆頭の近衛家に焦点をあて、日記類や和歌事蹟、説話などから活動を考察し、その和歌を取り上げる。中世和歌史において和歌と政治の関わりがどのように形成され、後世に引き継がれていったのかを辿る。
梅宮 創造 著
新書判 296ページ / 本体:1,200円+税(2025年12月15日発売)
無心になって、名文を読む――。
文学作品の価値というものは、その作品を好きかどうかという自らの主観のみで判断すればよい。その姿勢こそが、愛をもって文学と対峙することに他ならない。その信条のもとでなお、三読四読に堪えうる名作をセレクトし、心に残った余韻と残響について語った珠玉のエッセイ集。
【本書で取り上げている主な作家たち】
三島由紀夫、メアリ・シェリー、フョードル・ドストエフスキー、北条民雄、チャールズ・ディケンズ、エドガー・アラン・ポウ、井上靖、ジェイン・オースティン、ジョージ・ギッシング、三浦哲郎、梅崎春生、梶井基次郎、アルチュール・ランボー、中原中也、レフ・トルストイ、小林秀雄など(掲載順)
伊藤 怜 著
A5判 308ページ / 定価:5,000円+税(2025年11月14日発売)
ローマから北西約100kmに位置するラツィオ州の小都市トゥスカーニアに建つ、サン・ピエトロ旧司教座聖堂。11世紀末に遡る聖堂には、中世イタリアの貴重な壁画装飾がある。これまでみなされていた、同聖堂がローマ周辺における古代異教・初期キリスト教美術の再解釈と刷新現象の好例という視点から離れ、本書ではトゥスカーニアに特殊なモティーフに着目する。アプシスと南北小アプシスの配置や組み合わせ、南小祭室、勝利門壁面、内陣北壁、クリュプタをそれぞれ図像学的に論じ、同聖堂の装飾プログラムを提唱する。
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館 監修/近藤つぐみ 編著
A5判 カラー口絵32ページ+本文157ページ / 本体:2,800円+税(2025年6月2日発売)
演劇に表現される戦争へのまなざし、問いかける言葉たち――。
第二次世界大戦の終結から80年、いまだ私たちは戦争が脳裏をかすめる時代に生きている。「戦争という現実を前に、芸術は何ができるのか」。この普遍的な問いに答える糸口を見出すべく、11人の研究者、ジャーナリストらが日本演劇における戦争表象のありようを捉え直す。
早稲田大学演劇博物館2025年度春季企画展「演劇は戦争体験を語り得るのか――戦後80年の演劇から」(会期:2025年5月12日―8月3日)に合わせて刊行!
【訂正情報】巻頭口絵におきまして、誤りがございました。お詫びのうえ、下記の通り訂正させていただきます。
正誤表(演劇は戦争体験を語り得るのか).pdf
國部 友弘 著
A5判 250ページ / 定価:5,000円+税(2025年5月26日発売)
ライトノベルとは、その表現がパターンの組み合わせによって構成されていることが自覚された小説である。この自覚は、物語やキャラクターを独創的・唯一的なものとして捉えることを困難にしてしまう。しかしゼロ年代(2000年~2009年)頃におけるライトノベル作品には、表現がパターンの組み合わせであることを引き受けた上で、それでも物語やキャラクターを唯一的なものとして描こうとする多様な試みが認められる。その萌芽を示した『スレイヤーズ』、そして『涼宮ハルヒの憂鬱』『キノの旅』『All You Need Is Kill』『とある魔術の禁書目録』『僕は友達が少ない』『ソードアート・オンライン』というゼロ年代を代表する諸作品を詳細に読解し、それぞれのストラテジーを明らかにする。
柴田 元幸 編
新書判 212ページ / 本体:900円+税(2024年10月18日発売)
国境やジャンルを越えて響き合う文学のインスピレーション。
村上春樹が開いた扉とは何か――2023年10月、各国から小説家や芸術家が集い、現代文学と表現の最前線を熱く語り合った。国際シンポジウム(国際交流基金主催・早稲田大学国際文学館共催)を再現!
柴崎友香、チョン・イヒョン、ブライアン・ワシントン、アンナ・ツィマ、呉明益――5人の作家の作品を抜粋して特別収録。
河野 勝 著
新書 236ページ / 本体:900円+税(2024年10月18日発売)
アメリカは、独立・建国以来、自由という概念を存立基盤に据えてきた。その国歌には、戦争を経て自由を勝ち取った誇りが刻まれている。では、アメリカに暮らす普通の人々は、日常生活の中で、自由をどのように感じ、自由について何を悩み、自由をいかに実践しようとしてきたのか。本書は、ボブ・ディラン、ジョニ・ミッチェル、リッチー・ヘヴンス、イーグルス、ニール・ヤング、マルティナ・マクブライドなどによるポピュラー音楽の作品を題材に、その軌跡を辿る。人々の心を揺さぶってきたのは、人種差別への抵抗、政権への批判、社会的弱者への眼差し、家庭内暴力の告発、「本当の自分」を生きることへの切望を表現した、数々の名曲である。実証政治学者として欧米でも高く評価される筆者が、独自の歌詞テキスト分析や現役ミュージシャンへのインタビューなどを織り交ぜ、アメリカの自由を論じる。
米村みゆき 著
四六判 272ページ / 本体:2,000円+税(2023年7月14日発売)
◆日本アニメーション学会賞受賞!◆
『ハウルの動く城』『魔女の宅急便』『崖の上のポニョ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』etc…。多くの人が耳にし、また実際に観たことがあるであろうこれらの作品には、実は原作がある。ダイアナ・ウィン・ジョーンズ、角野栄子、夏目漱石、宮沢賢治などによる原作である。宮崎監督はそうした原作に依拠しつつ、類まれな脚色力=〈翻案〉力を発揮することによって、まさに〈視覚的文学〉ともいうべき独自の世界を構築してきた。
オリジナルを超える名作はどのように生みだされたのか。〈翻案〉の魔術師・宮崎駿の創作の秘密に、アニメーション研究の最前線に立つ著者が迫る。本書を読めば、全く新しい視点からジブリ作品を楽しめるようになる!