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花田 達朗(コーディネーター)
A5判 224ページ / 定価:1,890円(税込)
対話という“危険なゾーン”にあえて乗り出していくジャーナリストたち。それは、表現者としての文化的な営為であり、文化的な闘争そのものである。対話の相手はさまざまで、大震災の例を引くまでもなく、いのち、当事者、非当事者であり、自らが生きている地域であることもある。時として、対話の奇跡が生まれることもあれば、読者のために公権力の中に入って対話をすることもある。次世代の新しいジャーナリズムの担い手たらんとする人を含め、報道にかかわる(関心のある)すべての人に薦めたい一冊。
浜口 登(著)・浦田 秀次郎(はしがき)
A5判 328ページ / 定価:4,200円(税込)
レオンティエフ逆説の研究をはじめ、厳密な理論と現実経済の計測・実証との架橋を追求した力作15篇を収録した論文集。生産性/輸出入関数/為替レート/貿易パターンの4部からなる。
日本平和学会編
A5 192ページ / 定価:2,310円(税込)
いま「南北問題」を考える。
かつての途上国が経済的に台頭する一方、多くの社会が「生きにくさ」を抱え込み、日本とて例外ではない。「当事者性」を原点に「貧困」、そして「平和」を論ずる。
石濱 裕美子
A5判 口絵4ページ 本文334ページ / 定価:7,350円(税込)
満洲人は,朝鮮人,中国人,モンゴル人が混在する遼東平野を故郷とし,これら歴史ある 3 集団にもまれながら清朝を形成した。そのため,異文化に対して敬意を表することに屈託なく,その摂取についても柔軟であった。
清皇帝は,向き合う集団の文化体系に合わせてその時々に自らの姿を示した。儒教官僚を前にしては儒教思想の説く理想的な王,天子の姿をとり,チベットやモンゴルの仏教徒の前では大乗仏教が理想とする王,菩薩王の姿をとり,満洲人たちの前では八旗の長たるハーンとして君臨した。マルチリンガルな国際人が向き合う集団の言語に合わせて自分の使用する言語を切り替えるように,清皇帝は対する集団の性質に合わせて言語体系や文化的な振る舞いを切り替え,異文化と円滑に交流を行った。
つまり,清皇帝を始めとする満洲人支配層は,満洲語,モンゴル語,漢語,チベット語を程度の差こそあれ理解し,中国文化人であると同時に,チベット仏教徒であり,狩猟に秀でた満洲武人であるという多面的な性格を有していたのである 。これは異文化を外なるもの野蛮なるものとして目下に設定する中国の王権とは対照的な性格である。
本書は,清皇帝が持つ複数の性格のうち,チベット仏教徒に向けて清皇帝が示した姿を様々な側面から解明していくものである。
―本文「はじめに」より
伊藤 りさ
A5判 404ページ / 定価:7,770円(税込)
近松門左衛門以降、17世紀後半から18世紀末までの約115年間に作られた源平物人形浄瑠璃において、平家物語の説話はどう取り入れられていったのか。豊富な資料と知識をもとに、これまでの先行研究にみられるような単なる典拠論をはるかに超えた浄瑠璃作劇法論を展開。
18世紀浄瑠璃研究に確実な進展をもたらす一冊であり、浄瑠璃・歌舞伎研究者にとって必携の書であることはもちろん、平家物語研究者にとっても一読の価値がある貴重な研究書である。
小林 奈央子
A5判 口絵(カラー)8ページ 本文312ページ / 定価:3,780円(税込)
古い世紀が終わり、新たな世紀の始まるその時、ひとりの芸術家が、加速する世界において奔走する人類の精神へ糧をあたえる—精神的なもののために闘う騎士として立ち上がった。その騎士は青色、大きな姿で、十字架を背負うキリストさながら、肩には巨大な赤い梁を担いでいる。騎士はその重荷を引きずりながら、ただ独り砂浜をあゆむ。彼はすべての人類のために、精神の糧としての芸術を創造する。その芸術はすべての人びとに共通の言語—抽象的な色彩と形態—で創られる。
このヴィジョンは、20世紀を代表する抽象画家カンディンスキー(Wassily Kandinsky, 1866-1944)の一幕劇《後奏曲》で現れる情景である。実際には、大きな青い男が誰であるのか、また、男が何をしているのかを、作品から知ることはできない。なぜなら、抽象芸術家カンディンスキーの舞台作品は、抽象的な色と形でしか語らないからである。本書は、カンディンスキーの、色と形が織りなす舞台総合芸術〈舞台コンポジション〉の作品研究である。
T.S.エリオット 著 / 臼井善隆 訳
四六判 214ページ / 定価:2,730円(税込)
「教育」は定義できるか。(本文2ページより)
ここで私が取上げようと思ふ問題を論じた最近の著書で、さる有名な聖職者が傾聽に値する次のやうな見解を表明してゐる。「教育者の殆どは、教育に關する文學者の半可通の議論なんぞを適當に無視しておけばよいのに、無闇に感心してしまふ。遺憾ながら、それは事實なのである。」斷つておくが、彼はこの警告に先行する文章で、さほど手嚴しいことを言つてゐる譯ではない。直ぐ前の文章で彼はかう述べてゐる。「もし、自然科學者、宗教家、自然論者、藝術家、人間關係に關心を持つ學生達、が結束して文學者と意見を交換する場を設け、健全な思想と言へるやうなものを復活するには如何なる教育が必要であるかを、一緒に考へ直すことができるならば、教育界にさほどの精神的混亂はなくなり、様々な方法で、また相互補完的な手段で、一つの眞實を求めてゐる人々の間に存在して然るべき協力關係を、より一層強固ならしめるであらう。」さて、私が藝術家なのか、あるいは、半可通の文學者なのかはこの文脈では判らない。有益な貢献と無知な干渉との違ひは、事實、紙一重であつて、何か言はうとすれば、危險を承知でものを言ふ以外に術はないのである。
金 惠京
A5判 392ページ / 定価:4,830円(税込)
9.11同時多発テロ事件当時、ニューヨークの家族と離れ、日本で研究を続けていた筆者は家族が事件に巻き込まれたかもしれないと不安な時間を過ごす。結局、その無事は確認されたものの、その後報道等を通じて多くの人々が殺されたことを知った筆者は大きな衝撃を受ける。
「罪なき人々をいかに守るか――」。当時国際法による従軍慰安婦の人権救済の研究に取り組んでいた筆者は、その湧き上がる思いと法学者としての使命感から、以後10年にわたり、日本・韓国・アメリカ3ヶ国にまたがって国際法によるテロ防止策の研究を続けることとなる。
本書は同時多発テロ事件から10年の節目の今、筆者のこれまでの研究成果の現時点における集大成として刊行されるものである。現在すでに存在する13の国際テロ関連条約について、その内容と歴史的意義、問題点の分析を行うとともに、将来あるべきテロ防止の国際法体制について実質的提言を行う。
本書のように、テロ関連の国際法を網羅的に取り上げた類書はわが国ではほとんど存在せず、テロリズム研究者、テロ対策実務担当者をはじめ、国際法研究者、国際政治研究者にとって必読の一冊である。
市川 熹
A5判 236ページ / 定価:5,880円(税込)
ことばは表出すると同時に消えていく(揮発性)にもかかわらず、なぜ対話は円滑に進むのか。声のイントネーションといったプロソディ情報が、実時間でのコミュニケーションを可能にしている実態を豊富なデータをもとに明らかにした意欲作。