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劉宋・范曄 著 / 唐・李賢 注 / 渡邉 義浩 訳
文庫判 658ページ / 本体:1,450円+税(2026年10月19日発売)
大好評『後漢書』シリーズ最終巻では人びとの特徴でわけた列伝が記される。独行・方術・逸民・列女の類伝に、漢帝国が映し出される。動乱の中、潮流に乗った者もいれば、抗った者もいる。どのようにそれぞれの信念を貫いたのか。
さらに異民族を描いた各伝を収録。倭国を含む東夷伝、南蛮西南夷伝、西羌伝、西域伝、南匈奴列伝、烏桓鮮卑列伝では、それぞれの様相がみえる。東夷伝は、魏志倭人伝をもとにしながらも、それとは異なる記述を含む倭国の伝があり、三世紀以前の倭国の状況を知る無二の史料となっている。
ホルスト・ブレーデカンプ 著 / 藤代 幸一・津山 拓也 訳
四六判 274ページ / 定価:3,200円+税(2026年9月7日発売)
名著復活!!
16世紀から18世紀のヨーロッパで、貴族や学者が自らのコレクションを陳列するために作り出したクンストカマー。ヴンダーカマー=驚異博物館とも呼ばれるその収集室は、豪華絢爛な美術品のコレクションを展示するのみではなく、ときに奇妙な機械、剥製、玩具、異国物、武具といったものからなる混沌世界を覗かせた。
その驚異の世界を探究した古典的名著が本書である。著者ブレーデカンプは、陳列室の空間に人間と自然の関係のありようを見た。「自然物―古代の彫像―人工物―機械」というクンストカマーの原理から、自然と人工とは、そして芸術とは、と問いかける。その考察の範囲は、チェリーニの逸話にはじまり、フランシス・ベーコン、デカルト、キルヒャー、ライプニッツ、リンネ、ゲーテからパウル・クレーまでにわたる。1996年刊行の法政大学出版局(叢書・ウニベルシタス)版に加筆修正を施し、原著2000年版で追加された「新版へのあとがき」を新たに訳出した。「凋落一途の人文系が立ち直れる稀有のチャンスが来た。」(高山宏氏・帯文より)解説=田中純「ブレーデカンプのプログラムークンストカマーからイメージ学へ」。帯=高山宏。エディトリアル・デザイン=佐藤ちひろ(工作舎)。
劉宋・范曄 著 / 唐・李賢 注 / 渡邉 義浩 訳
文庫判 740ページ / 本体:1,650円+税(2026年8月28日発売)
大好評「後漢書」シリーズ第11巻は「列伝」の7巻目。皇甫嵩が黄巾の戦いを平定したのち、群雄割拠の後漢は、袁紹が官渡の戦いで曹操に敗北し終焉へと突き進む。後漢を事実上滅ぼした董卓は、『三国志』よりも、さらに悪が強調される。ほかに朱儁・劉虞・公孫瓚・陶謙・劉表・劉焉・袁術・呂布といった群雄の伝記を収録する列伝七は、『三国志』との読み比べを堪能できる。おおむね、『三国志』と裴松之注から史料をとる『後漢書』であるが、『東観漢記』や「七家後漢書」など独自の史料を起源とする記述もあり、范曄の評と共に、『三国志』とは異なる後漢末・三国への歴史観が浮かび上がる。さらに循吏、酷吏、宦者、儒林、文苑の各伝を収録。
小和田 哲男 著
新書判 274ページ / 本体:1300円+税(2026年8月25日発売)
よく知られる墨俣一夜城をはじめ、備中高松城の水攻めや、小田原攻めにおける石垣山築城等々、秀吉による天下統一への道のりは、自らの土木の才能をいかんなく発揮した城郭活用術の進化プロセスでもあった。秀吉が手掛けた数かずの城郭を時系列で追いながら、それぞれの立地や築城経緯、縄張りに天守、石垣などの構造を分析。さらには合戦や政略への具体的な効果までひもときながら、その天下統一の偉業を総覧しつつ、「戦う城」から「見せる城」へと移行する、城郭史上の一大画期をも俯瞰する。また2020年、京都仙洞御所内での発掘調査によってその遺構の一部が発見された「京都新城」は、文献上ではその存在が認められながら、考古学上は長らく未発見に留まっていた“幻の城”だったが、本書はその発掘調査の最新成果にまで言及。豊臣政権永続の布石として築かれた京都新城の威容を描き出さんとする。
早稲田大学台湾研究所 編
B5判 112ページ / 本体:1,900円+税(2026年8月24日発売)
アジアについての研究成果を広く一般の読者に発信するジャーナル、リニューアル第3弾!
特集①は「アジアの鉄道ヒストリー」。満洲鉄道時代の鉄道旅行、ルートの変更を重ねたシベリア横断鉄道、日本との長い縁が続く台湾の鉄道、3つの転換点を経たタイ・ベトナムの鉄道の現在……はりめぐらされた鉄道網からアジアの経験を照らし出します。
特集②は「汚職の研究」。アジア各地で発生している汚職について、多くの事例とともに考えます。民主主義の成立とともに登場した「票」は新たな「資源」なのか? シンガポール、ミャンマー、ベトナム、フィリピン、台湾といった土地土地の民族・文化と汚職が結ぶ関係を解き明かします。
浅見 祐香 著
A5判 244ページ / 本体:5,000円+税(2026年8月24日発売)
アディクションの一つという理解が優勢である窃盗症(クレプトマニア)は、窃盗の衝動に抵抗できずに盗む行為をくりかえす精神疾患であり、本人の自覚を伴わないことが少なくない。本書では、窃盗症における窃盗にいたる自動的な反応連鎖を維持する要因を明らかにするとともに、効果的な支援に関する検討を行った。それらをもとに、窃盗の再犯を予測するアウトカム指標として、窃盗症の重症度のアセスメントツールおよび窃盗を含む一般犯罪の再犯リスクアセスメントツール(日本語版)の整備、渇望や結果期待を測定する認知課題の開発、窃盗症に対する有効な認知行動療法プログラムの開発にいたった。窃盗は、刑法犯の約半数を占めており、再犯防止対策がいそがれる。本研究で開発された認知行動療法プログラムは、窃盗の再犯を抑止しうることが明らかになっており、窃盗症の治療的支援に寄与する論考。
矢口 徹也 編著
A5判 264ページ / 定価:3,200円+税(2026年7月8日発売)
1952年、早稲田大学教育学部に社会教育を冠する課程が置かれることになった。早稲田大学では帝国大学とは異なる立場を示すために大学開放事業が重視されてきたが、第二次世界大戦後の占領期に、なぜ課程の設置が実現されたのか。
第Ⅰ部では早稲田大学が戦後の社会教育振興のなかで受け持った役割について資料に基づいて精査し、その実態を明らかにする。第Ⅱ部では戦後の社会教育に関わる取り組みについて、ひろく各大学の姿勢を取り上げる。現在の生涯学習にも流れる「開かれた大学」の理念とは。
上田 和勇 著
新書判 266ページ / 本体:1,300円+税(2026年6月26日発売)
「社員を守る会社」だけが、生き残る――。
人手不足、離職、メンタル不調、組織の分断。そして先の見えない経営環境。企業はいま、「どう利益を上げるか」だけでなく、「人が安心して働き続けられる組織をどうつくるか」を問われている。
本書が注目するのは、「レジリエンス」と「ウェルビーイング」という二つの視点である。危機から立ち直る力と、働く人が心身ともに良好な状態で働ける環境。この二つを兼ね備えた企業こそが、変化の時代を生き抜くことができる。その考え方と実践を、豊富な事例・調査・理論をもとに解き明かす。
なぜ、倒産危機を乗り越えた企業は再生できたのか。なぜ、社員が意欲的に働く企業では、人と人とのつながりが強いのか。ウェルビーイング経営を実践する企業や経営者の取り組みを通して、「強い組織」に共通する条件を探る。
本書が重視するのは、制度やマニュアルだけではない、“人”を軸にした経営である。理念の共有、信頼関係、対話、やりがい。そうした「ソフト・コントロール」が、企業文化を変え、組織を強くする。
経営者、役員、管理職必読。社員の幸福と企業の持続的成長を両立させるための、新時代の経営書。
小林 美希 著
A5判 288ページ / 本体:5,000円+税(2026年6月25日発売)
グローバリゼーションの進展により「日本語指導が必要な子どもたち」が増加し、教育行政が見直されるなか、現場ではさまざまな課題が顕在化している。本書では複数言語環境で第二言語として日本語を学ぶJSL(Japanese as a second language)生徒への日本語教育に20年携わった著者が、その実践とJSL生徒の変容を描く。その過程では、「言語重視」か「自己表現重視」か、と二分法的に「書く」教育を捉えていた著者が教育実践を重ねていくうちに教育観が変容し、それらを交差させた教育を実施することになる。変化の激しい21世紀、JSL生徒は自身のライフコースを切り拓くための「ことばの力」をどのように育てていけるのか。年少者日本語教育におけるリテラシー教育実践の展望を説く。
阿部 敦 著
新書判 250ページ / 本体:1,200円+税(2026年6月19日発売)
日本の介護は、「崩壊」の瀬戸際にあるのか――。
本書は、この切実な問いから出発し、「財源がないから仕方がない」「人手不足は避けられない」といった、いま広く共有されている“常識”に真正面から疑問を投げかける。
国の決算を丹念に読み解くと、毎年数兆円規模の「使い残し」や、想定を上回る税収が生じているという、あまり知られていない現実が浮かび上がる。にもかかわらず、なぜ社会保障は抑制され続けるのか。本書はこの核心に迫り、介護をめぐる政策の全体像を鮮やかに描き出す。
さらに、低賃金・重労働、人材不足、外国人材への依存、ICT化の推進といった諸問題が、市場主義のもとで連動しながら深刻化してきた構造を解明する。具体的な分析を通じて、「このまま進めば何が起きるのか」をリアルに提示する。
介護の問題を「個人の努力」ではなく「社会の仕組み」の問題として捉え直す視点が、いまこそ求められている。現状を変えるための打開策を、データと論理に基づき、説得力豊かに示す。
親の介護が気になり始めた方、仕事と介護の両立に不安を抱える方、そして自らの老後を安心して迎えたいと願うすべての人へ。日本の介護の未来を考えるための、必読の一冊。
[補足]本書137頁では、介護支援専門員(ケアマネジャー)について「国家資格ではなく、都道府県が認定する公的資格である」と記述しております。この記述は、執筆当時に広く共有されていた認識に基づくものです。
その後、2026年5月22日の衆議院厚生労働委員会において、厚生労働省老健局長より、介護支援専門員について「法律に規定された国家資格として位置付けている」との答弁がありました。本書刊行後の動向として、補足いたします。(2026年7月7日)