ホーム > 新刊案内
藁谷 友紀・熊谷 善彰 編
四六判 341ページ / 定価:1,800円+税(2025年5月23日発売)
彼らはいかに変革を成し遂げたのか――。経済・社会のダイナミズムが問われるいま、リーダーたちの生の声に触れ、未来のヒントを得る。早大人気講義、待望の書籍化。
國部 友弘 著
A5判 250ページ / 定価:5,000円+税(2025年5月26日発売)
ライトノベルとは、その表現がパターンの組み合わせによって構成されていることが自覚された小説である。この自覚は、物語やキャラクターを独創的・唯一的なものとして捉えることを困難にしてしまう。しかしゼロ年代(2000年~2009年)頃におけるライトノベル作品には、表現がパターンの組み合わせであることを引き受けた上で、それでも物語やキャラクターを唯一的なものとして描こうとする多様な試みが認められる。その萌芽を示した『スレイヤーズ』、そして『涼宮ハルヒの憂鬱』『キノの旅』『All You Need Is Kill』『とある魔術の禁書目録』『僕は友達が少ない』『ソードアート・オンライン』というゼロ年代を代表する諸作品を詳細に読解し、それぞれのストラテジーを明らかにする。
渡邉 義浩 著
新書判 312ページ / 本体:1,200円+税(2025年4月30日発売)
古来、中国の歴史は「物語」により表現されてきた。その伝統は、周代の金文に始まり、以降「物語」は、諸子百家による啓蒙活動に用いられ、前漢になり儒教が国教の地位を得ると、その経典の解釈書に採り入れられていく。続く後漢において「古典中国」(後世の中国が規範とした中国の原型)が成立すると、訓詁学の隆盛を背景に『春秋左氏伝』が「物語」と歴史との接点を回復し、「史伝」へと発展。やがて『史記』を起源とする紀伝体にくわえ、『漢書』のように国ごとに歴史を描く断代史の体裁が定められ、国家が自らの正統性を担保するための「正史」という形で結実する――本書では、「物語から史書へ」と至る以上の経緯を、『尚書』『尚書大伝』『詩経』『韓詩外伝』『論語』『墨子』『孟子』『荀子』『荘子』『韓非子』『春秋公羊伝』『春秋穀梁伝』『春秋左氏伝』『国語』『史記』『漢書』『三国志』といった数多くの古典から引用しつつ、古代中国において思想と国家が「物語」によって正統化されていく実相とともに、ひもといていく。
劉宋・范曄 著 / 唐・李賢 注 / 渡邉 義浩 訳
文庫判 640ページ / 本体:1,400円+税(2025年4月25日発売)
大好評「後漢書」シリーズ第7巻は、臣下の伝記を収めた「列伝」の3巻目。後漢「儒教国家」を支えた文官たちの生涯を辿る。たとえば班固。国史改作の汚名を着せられながらもその冤罪を晴らし、やがて『漢書』編纂をなしたという。さらには鄭玄。儒学の師として馬融のもとに弟子入りするも、馬融に3年間会えないまま勉学に勤しむことを余儀なくされたという。艱難辛苦に屈することなく、巨大な事跡を残した傑物たちの物語。
早稲田大学台湾研究所 編
B5判 96ページ / 本体:1,600円+税(2025年4月18日発売)
アジアについての研究成果を広く一般の読者に発信するジャーナル、リニューアル第2弾!
特集①は「日台漫画論」。いまや、日本を代表する文化の一つでもあり、重要な輸出産業ともなっている漫画。その日本漫画の影響を汲みながら、WEBを舞台に新たな作品世界を開花させつつある台湾漫画。日本と台湾の漫画のいま・むかしを考えます。
特集②は「学生運動を考える」。不確実な時代の今、学生運動について改めて考えます。歴史上、世界の至るところで、若者たちは主張し行動を起こしてきました。目的や方法、規模や結果の違いはあっても未来のために理想を求めたかれらの姿勢に注目、その事実を無駄にすることなく、理解と教訓を得るために多角的な検証を行います。『レッド』の作者、山本直樹氏のインタビューも掲載!
そのほか、編集長インタビューにデヴィ・スカルノ夫人も登場するなど今号も盛りだくさんの内容です。
宮本 健市郎・佐藤 隆之 著
A5判 418ページ / 定価:7,000円+税(2025年4月10日発売)
1890年代から1910年代、アメリカでは革新主義が潮流となるなか、「よい市民」の形成が試みられていた。子どもひとりひとりを尊重する進歩主義教育が台頭しつつも、一つの国家としての統一が目指されていた時代。「よい市民」形成という壮大な市民性教育の実験は、学校が社会と結びつき、その役割を変容させていきながら行われた。本書では遊び場運動、社会センターとしての学校、コミュニティ・センター運動、国旗掲揚の儀式、帰化プロジェクトの授業などをとりあげ、それらを主導したジョセフ・リー、クラレンス・A.ペリー、ジョン・デューイらの思想とともに、「よい市民」の理念と実態を考察する。対照的な「多様性の尊重」と「愛国心の教育」はどのように結びつき、実践されたのか。著者二人の約20年にわたる共同研究の集大成。
Administration and Technology Management Center for Science and Engineering, Waseda University
A5判 349ページ / 定価:4,000円+税(2025年4月3日発売)
2023年12月に発売し大好評を博した『勇気と覚悟――視覚障害学生の実験教育における技術支援』の英語版。
2019年4月、早稲田大学 先進理工学部に一人の全盲の学生が入学した。小学2年生の時に全盲となった彼女は、筑波大学附属視覚特別支援学校中学部、都立高校を経て、早稲田大学を受験。みごと現役合格を果たしたのである。
はたしてどのようにすれば、全盲の学生に大学の実験科目を履修してもらうことが可能なのか。この課題に中心となって対応したのが、早稲田大学 理工学術院統合事務・技術センターの技術職員たちであった。つねに彼女に寄り添いながら、学内外のステークホルダーたちを巻き込みつつ、高等教育機関として実験科目を通じて彼女に何を伝えるべきか、という根本的な問題意識の下に奔走した彼ら。その現場からの報告。
Peking University-Waseda University Joint Research Initiative 編
A5判 349ページ / 本体:5,000円+税(2025年3月10日発売)
早稲田大学・北京大学の教員・大学院生らによる共同研究交流会の成果論文集の2024年度版。東アジア・東南アジアの国際関係論に関する英語論文13本、漢字・漢語研究に関する日本語論文5本を掲載する。
千葉 美奈 著
A5判 250ページ / 本体:5,000円+税(2024年12月24日発売)
世界的に青少年の早期妊娠やHIV感染が増加するなか、青少年のリプロダクティブ・ヘルスをいかに保護するかが急務となっている。保護にあたって重要なのが包括的性教育(CSE)の取組である。しかしCSEは、それぞれの国における政治的論争や学校現場での支持不足などにより十分に実施できているとはいいがたいのが実情である。
そんななかタイでは、学校を基盤とする質の高いCSEが実現された。なぜタイは成功したのか。同国の学校現場における調査・報告を通じ、効果的な性教育の普及のために必要な方策を考察する。青少年の保健教育に携わる教職員にとって、貴重な示唆に富む一冊。
吉田文彦・遠藤誠治・佐藤丙午・真山 全 編著/中尾麻伊香・向 和歌奈・西田 充・牧野愛博・小伊藤優子・堀部純子・樋川和子・河合公明 著
A5判 368ページ / 本体:3,000円+税(2024年12月23日発売)
専門知の結集により、核軍縮と安全保障をめぐる議論に新たな突破口を見出す。安全保障を損ねることなく、核なき世界を実現するための15の提言。
「大事な点は、核抑止が『特定の環境』の下でのみ成り立つ『安定』である現実を直視して、半永久的に核抑止に依存する選択は国の安全も個人の安全も保障するものではないとの基本認識を、私たちの未来を考える起点にも終点にもすることである。」――本書第5章より