ホーム > 新刊案内
白木 三秀 著
新書判 218ページ / 本体:900円+税(2023年7月28日発売)
コロナ禍におけるテレワークの普及は、人びとの働き方だけでなく、企業の人事(HR)部門にも大きな地殻変動を引き起こした。すなわち、従業員の採用・育成・評価・処遇といった従来の業務を越えて、従業員一人一人が望む働き方をふまえ、その人にふさわしいキャリア形成を支援する役割がHR部門に求められるようになったのである。
こうした動きは以前からあったが、この流れを決定的にしたのがテレワークの普及であった。テレワークが人びとの働き方や人事部の現場に与えたインパクトを、データのほか、HR部門担当者や「駐妻」たちとの座談会を通じて明らかにする。また、テレワークに従事する従業員の労働時間規制の問題や、正社員の配置転換命令にみられる企業人事権が今後どのように変わるのか、という法的問題についても考察する。
日本企業の人事部の今後あるべき姿について、人的資源管理研究の第一人者が提言。HR担当者、必読の一冊。
米村みゆき 著
四六判 272ページ / 本体:2,000円+税(2023年7月14日発売)
『ハウルの動く城』『魔女の宅急便』『崖の上のポニョ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』etc…。多くの人が耳にし、また実際に観たことがあるであろうこれらの作品には、実は原作がある。ダイアナ・ウィン・ジョーンズ、角野栄子、夏目漱石、宮沢賢治などによる原作である。宮崎監督はそうした原作に依拠しつつ、類まれな脚色力=〈翻案〉力を発揮することによって、まさに〈視覚的文学〉ともいうべき独自の世界を構築してきた。
オリジナルを超える名作はどのように生みだされたのか。〈翻案〉の魔術師・宮崎駿の創作の秘密に、アニメーション研究の最前線に立つ著者が迫る。本書を読めば、全く新しい視点からジブリ作品を楽しめるようになる!
劉 暢 著
A5判 324ページ / 本体:4,000円+税(2023年6月23日発売)
中国武術は競技性の発展に伴い国際的なスポーツとなり、現在は158カ国・地域に普及している。日本では1960年代後半に太極拳の広がりが契機となり、日本武術太極拳連盟を中心に競技大会、技術研究会、審判研修会などが行われ、中国武術の普及がみられた。中国武術が軍隊から省かれた背景、中国で「国術」と呼称された経緯、西洋スポーツの影響など時代の変遷との関わり、競技大会の歴史と競技ルールの制定・改定の過程、日本における中国武術の受容と普及について丁寧によみとく。そして、中国武術の実用性(武術性)の変容を考察し、競技武術の将来を展望する。
藤野 克 著
A5判 340ページ / 本体:4,000円+税(2023年5月23日発売)
先端分野における日本の通商戦略の今後を展望――。
通信インフラ、デジタル貿易、知的財産権の分野の日米の全FTA交渉を検証し、両政府の行動メカニズムを解明。先端分野の国際ルールを日本がリードする上でのFTA交渉の有用性を明らかにする。
【出版社より】本書の巻末では、各国の締結した通商条約の情報通信関係規定に関する附表を掲載しておりますが、紙幅の関係で掲載できなかったものが一部あります。以下、本ページにてすべての附表を掲載します。
1_日本.pdf、2_米国.pdf、3_シンガポール.pdf、4_豪州.pdf、5_ブルネイ.pdf、6_カンボジア.pdf、7_カナダ.pdf、8_チリ.pdf、9_中華人民共和国.pdf、10_コロンビア.pdf、11_中米 5か国.pdf、12_ドミニカ共和国.pdf、13_欧州連合.pdf、14_インド.pdf、15_インドネシア.pdf、16_韓国.pdf、17_ラオス.pdf、18_マレーシア.pdf、19_メキシコ.pdf、20_ミャンマー.pdf、21_ニュージーランド.pdf、22_パナマ.pdf、23_ペルー.pdf、24_フィリピン.pdf、25_スイス.pdf、26_タイ.pdf、27_ベトナム.pdf
渡部春佳 著
A5判 312ページ / 本体:4,000円+税(2023年4月14日発売)
地域の文化政策において自治体の財政負担を削減させることを目的とするNew Public Management型改革。2000年代、地方自治法改正による施設の指定管理者制度の導入を受け、とりわけ公立文化施設において急速に取り入れられた。昨今、公立文化施設は地域社会において社会的便益を見据えた活用が求められており、運営する自治体はステークホルダーと持続的な関係を構築しながら公共的価値をいかに形成していくかが問われている。本書では、地方議会議事録をもとにアカウンタビリティの実態を分析し、自治体の文化政策の進むべき方向性を考察する。
ポール・クレイグ 著/中村民雄 訳
A5判 523ページ / 本体:6,500円+税(2023年4月4日発売)
英国法の大家として著名なポール・クレイグ オックスフォード大学名誉教授が、2015年にケンブリッジ大学出版局から刊行した『UK, EU and Global Administrative Law』の日本語訳。
イギリス、EU、グローバルの3層における行政法の働きについて、それぞれ深い洞察を行っているほか、各層の相互作用にも言及している点で非常にユニークな特色を持つ。
特に、グローバル行政法は世界的に見ても最先端の研究であり、日本では一部の研究者が紹介しているにとどまる。本書は、日本におけるグローバル行政法研究の出発点ともなるであろう。イギリス法、EU法を学ぶ者にとって必読の一冊である。
渡邉 義浩 著
新書判 284ページ / 本体:900円+税(2023年4月3日発売)
大隈重信については、これまで多くの伝記が書かれてきたが、大隈がどのような教育を受け、教育に対してどのような思いを抱き、どのような志のもとで早稲田大学を創設したのかについて、十分に扱われたものはそう多くはなかった。内閣総理大臣を二度も務めた大隈の伝記は、当然のことながら当時の政治や社会情勢に関する記述が中心となるためである。本書は、そうした大隈の教育者としての側面に注目し、その来歴を紹介しつつ、大隈と共に政府を下野し立憲改進党を結成、東京専門学校(現・早稲田大学)の開校に加わった小野梓をはじめ、「早稲田四尊」と呼ばれる高田早苗、坪内逍遥、天野為之、市島謙吉らの業績、そして歴代総長の事績に至るまで、今日の“Waseda Vision 150 and Beyond”に連なる早稲田大学の歴史が、一気に俯瞰できる内容となっている。他にも、各学術院設立の経緯や、オリンピアンをはじめとする早稲田大学出身のアスリートの活躍などにも言及、巻末の参考文献リスト「さらに深く知りたい人のために」も大変重宝する。「早稲田大学」を知るうえで、必読かつ最良の入門書。
岩崎 雅之 著
A5判 244ページ / 本体:4,000円+税(2023年3月3日発売)
イギリスを代表する小説家E. M. フォースターの作品について、「伝統的リアリズムvs モダニズム」という旧来の図式を踏襲し続ける先行研究の限界を乗り越えた意欲作。全編英語。
現代のイギリス人小説家ゼイディー・スミスらに継承されているフォースターの文学的功績に注目し、フォースターのナラティブがリアリズムかモダニズムかという制約、またポストモダニズム、あるいは昨今研究され始めているメタモダニズムという時代区分の壁を越えた価値を有するものであることを明らかにする。